おめでとう。
令 和
今日から新元号となります。新しい時代が平和となることを願います。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、沖縄県恩納村漁業協同組合と共同で、沖縄県を代表する食用海藻である、海ぶどう(標準和名・クビレズタ)の全ゲノム解読に世界で初めて成功した。海ぶどうは長さ10m~20cmにもなる緑藻の一種であるが、沢山の核を含むたった1個の細胞でできている、生物の体作りという観点からとても不思議な生物である。
海ぶどうのゲノムのサイズは、養殖・栽培されている農水産物の中でも最小クラスの2,800万塩基対で、遺伝子の数もわずか9,000ほどであることが明らかになった。また、海ぶどうは野菜や果物などの陸上植物とは全く別の生物であるものの、成長に関しては類似した遺伝子が関わっている可能性が示唆された。
研究チームは、沖縄県恩納村漁業共同組合で養殖された海ぶどうからDNAを抽出し、OISTが保有する次世代型ゲノムシーケンサー(超並列シーケンサー)を駆使して、その全ゲノム配列を解読した。
超並列シーケンサーから出力された配列データをつなぎ合わせ、全長2,800万塩基対のゲノム配列を決定した。決定されたゲノム配列は36本の配列に95%の塩基が含まれており、各遺伝子がどのようにゲノム上に配置されているか知る上で有用な情報を得ることができる。ゲノム上に見つかった9,311個の遺伝子の中から海ぶどうに特異的な特徴を探した。その結果、タンパク質の細胞内の配置を制御する遺伝子が失われつつある一方で、細胞核の物質の出入りを制御する遺伝子や、陸上の緑色植物で生活環境や葉の形作りなどを制御するTALE型ホメオボックス遺伝子などが多様化していることがわかった。
これらの結果は、巨大な単細胞生物である海ぶどうの形作りが、多細胞生物や微細な単細胞生物とは異なるメカニズムでタンパク質を必要とされる部位に配置したり、細胞核自体が物質の輸送を制御することで実現されていることを示唆している。一方で、海ぶどうが単細胞生物でありながら、巨大で複雑な体の構造を獲得したきっかけには、陸上植物と同様にTALE型ホメオボックス遺伝子の増加が鍵となった可能性が示唆された。
この複雑な形態と独特の歯触りは、この単細胞生物に特異的な遺伝子セットによって実現されていることが示唆された。
◆クビレズタ(海ぶどう)
クビレズタ(括れ蔦、学名:Caulerpa lentillifera)はイワズタ科イワズタ属に属する海藻。単細胞生物である。沖縄県や鹿児島県では海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれ、食用となる。海水水槽で観賞用に栽培されることもある。
和名はくびれのあるツタの意味で「クビレヅタ」であったが、2000年に改定された日本産海藻目録より「クビレズタ」に改められた。最新である2005年改訂版でも「クビレズタ」となっている。
日本では南西諸島に、日本国外では東南アジアやオセアニア等の浅海域に分布する。主に、潮間帯の下部から漸深帯の砂地に生育する。
長さ2-5m程度まで成長する。匍匐茎(ランナー)を伸ばし、匍匐茎の途中から直立する茎が生える。この直立する茎が食用になる部位で、球状の小枝(葉のような形状)が密生しており、「海ぶどう」の由来にもなっている。また、和名のクビレズタは、直立する茎と小枝の間がくびれていることにちなむ。
食用
沖縄県では、昔から食べられており、その形状から海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれている。生で、醤油や三杯酢等をタレのように浸けながら食べる。刺身の付け合わせにもされる。ご飯の上にのせて三杯酢をかけた「海ぶどう丼」や、味付けせずに沖縄そばの上に乗せて「海ぶどうそば」として食べることもある。調味液に長く浸すと、プチプチとした食感をもたらす粒状の部分がしぼんでしまう。また低温に弱く、冷蔵庫で保存すると萎んでしまうので常温で保存する。3日~4日間は常温で問題なく保存できる。
因みに、他の数多くの海藻と違い、海ぶどうは天然または海で養殖されたものではなく、野菜や果物のように陸上のビニールハウス内に作られた海水プールで育てられる。この養殖方法が開発されたことで海ぶどうの大量栽培が可能となり、その生産額は2013年に沖縄県内で10億円を超え、その後も増加を続けている。
◆ゲノムサイズ
ゲノムサイズが小さい水産物として知られるオキナワモズクは約13,000の遺伝子を含む約1億4千万塩基のゲノム。
我々ヒトのゲノムは約30億塩基であり約20,000の遺伝子が含まれる。
◆TALE型ホメオボックス遺伝子
ホメオボックス遺伝子は各種の遺伝子の転写制御に関わる因子。植物や動物など様々な生物の形態発達を調整する役割を持ち、特定の遺伝子のスイッチをオン・オフすることで、細胞が組織の構造を形作る過程をコントロールする。
◆仕切りのない細胞
海ぶどうが仕切りのない細胞で複雑な形を作り上げられるのは、体の部位ごとにゲノムDNAを包み込む構造である核膜が特殊化し、その種類に応じて遺伝子のスイッチを制御する物質が選択的に細胞核に取り込まれるためだと考えられる。
朝は小雨、段々と雨は止み、昼頃から晴れ~曇り。
”ベニバナトキワマンサク”の花が咲き出した。冬でも落葉しない樹で、葉は赤紫色、花は紅色の細い紐状。この”トキワマンサク”はマンサク科トキワマンサク属。この花は紅色の細い紐状で、早春の”マンサク”の花は黄色の細い紐状、良く似ている。でも”マンサク”はマンサク科マンサク属、と属が異なる。
ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)
別名:赤花常盤万作(あかばなときわまんさく)
マンサク科トキワマンサク属(ロロペタルム属)
耐寒性常緑小高木
原産地は日本、中国南東部、インド北東部
マンサク科トキワマンサク属の 「トキワマンサク(常盤万作)」の変種の紅花品種
開花時期は4月~5月
トキワマンサクは白花、ベニバナトキワマンサクは赤花
令 和
今日から新元号となります。新しい時代が平和となることを願います。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、沖縄県恩納村漁業協同組合と共同で、沖縄県を代表する食用海藻である、海ぶどう(標準和名・クビレズタ)の全ゲノム解読に世界で初めて成功した。海ぶどうは長さ10m~20cmにもなる緑藻の一種であるが、沢山の核を含むたった1個の細胞でできている、生物の体作りという観点からとても不思議な生物である。
海ぶどうのゲノムのサイズは、養殖・栽培されている農水産物の中でも最小クラスの2,800万塩基対で、遺伝子の数もわずか9,000ほどであることが明らかになった。また、海ぶどうは野菜や果物などの陸上植物とは全く別の生物であるものの、成長に関しては類似した遺伝子が関わっている可能性が示唆された。
研究チームは、沖縄県恩納村漁業共同組合で養殖された海ぶどうからDNAを抽出し、OISTが保有する次世代型ゲノムシーケンサー(超並列シーケンサー)を駆使して、その全ゲノム配列を解読した。
超並列シーケンサーから出力された配列データをつなぎ合わせ、全長2,800万塩基対のゲノム配列を決定した。決定されたゲノム配列は36本の配列に95%の塩基が含まれており、各遺伝子がどのようにゲノム上に配置されているか知る上で有用な情報を得ることができる。ゲノム上に見つかった9,311個の遺伝子の中から海ぶどうに特異的な特徴を探した。その結果、タンパク質の細胞内の配置を制御する遺伝子が失われつつある一方で、細胞核の物質の出入りを制御する遺伝子や、陸上の緑色植物で生活環境や葉の形作りなどを制御するTALE型ホメオボックス遺伝子などが多様化していることがわかった。
これらの結果は、巨大な単細胞生物である海ぶどうの形作りが、多細胞生物や微細な単細胞生物とは異なるメカニズムでタンパク質を必要とされる部位に配置したり、細胞核自体が物質の輸送を制御することで実現されていることを示唆している。一方で、海ぶどうが単細胞生物でありながら、巨大で複雑な体の構造を獲得したきっかけには、陸上植物と同様にTALE型ホメオボックス遺伝子の増加が鍵となった可能性が示唆された。
この複雑な形態と独特の歯触りは、この単細胞生物に特異的な遺伝子セットによって実現されていることが示唆された。
◆クビレズタ(海ぶどう)
クビレズタ(括れ蔦、学名:Caulerpa lentillifera)はイワズタ科イワズタ属に属する海藻。単細胞生物である。沖縄県や鹿児島県では海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれ、食用となる。海水水槽で観賞用に栽培されることもある。
和名はくびれのあるツタの意味で「クビレヅタ」であったが、2000年に改定された日本産海藻目録より「クビレズタ」に改められた。最新である2005年改訂版でも「クビレズタ」となっている。
日本では南西諸島に、日本国外では東南アジアやオセアニア等の浅海域に分布する。主に、潮間帯の下部から漸深帯の砂地に生育する。
長さ2-5m程度まで成長する。匍匐茎(ランナー)を伸ばし、匍匐茎の途中から直立する茎が生える。この直立する茎が食用になる部位で、球状の小枝(葉のような形状)が密生しており、「海ぶどう」の由来にもなっている。また、和名のクビレズタは、直立する茎と小枝の間がくびれていることにちなむ。
食用
沖縄県では、昔から食べられており、その形状から海ぶどうやグリーンキャビアと呼ばれている。生で、醤油や三杯酢等をタレのように浸けながら食べる。刺身の付け合わせにもされる。ご飯の上にのせて三杯酢をかけた「海ぶどう丼」や、味付けせずに沖縄そばの上に乗せて「海ぶどうそば」として食べることもある。調味液に長く浸すと、プチプチとした食感をもたらす粒状の部分がしぼんでしまう。また低温に弱く、冷蔵庫で保存すると萎んでしまうので常温で保存する。3日~4日間は常温で問題なく保存できる。
因みに、他の数多くの海藻と違い、海ぶどうは天然または海で養殖されたものではなく、野菜や果物のように陸上のビニールハウス内に作られた海水プールで育てられる。この養殖方法が開発されたことで海ぶどうの大量栽培が可能となり、その生産額は2013年に沖縄県内で10億円を超え、その後も増加を続けている。
◆ゲノムサイズ
ゲノムサイズが小さい水産物として知られるオキナワモズクは約13,000の遺伝子を含む約1億4千万塩基のゲノム。
我々ヒトのゲノムは約30億塩基であり約20,000の遺伝子が含まれる。
◆TALE型ホメオボックス遺伝子
ホメオボックス遺伝子は各種の遺伝子の転写制御に関わる因子。植物や動物など様々な生物の形態発達を調整する役割を持ち、特定の遺伝子のスイッチをオン・オフすることで、細胞が組織の構造を形作る過程をコントロールする。
◆仕切りのない細胞
海ぶどうが仕切りのない細胞で複雑な形を作り上げられるのは、体の部位ごとにゲノムDNAを包み込む構造である核膜が特殊化し、その種類に応じて遺伝子のスイッチを制御する物質が選択的に細胞核に取り込まれるためだと考えられる。
朝は小雨、段々と雨は止み、昼頃から晴れ~曇り。
”ベニバナトキワマンサク”の花が咲き出した。冬でも落葉しない樹で、葉は赤紫色、花は紅色の細い紐状。この”トキワマンサク”はマンサク科トキワマンサク属。この花は紅色の細い紐状で、早春の”マンサク”の花は黄色の細い紐状、良く似ている。でも”マンサク”はマンサク科マンサク属、と属が異なる。
ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)
別名:赤花常盤万作(あかばなときわまんさく)
マンサク科トキワマンサク属(ロロペタルム属)
耐寒性常緑小高木
原産地は日本、中国南東部、インド北東部
マンサク科トキワマンサク属の 「トキワマンサク(常盤万作)」の変種の紅花品種
開花時期は4月~5月
トキワマンサクは白花、ベニバナトキワマンサクは赤花
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