今週末は2組の学園見学がありました。
県内の高校生と県外の中学生です。
学園の見学は随時受付しています。
ご説明と施設見学で2時間が標準コースです。
ご希望の方はメールgyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
あるいは電話054-627-0219
園長にご相談ください。
さて、今回も2日分です。
特大カツオを二丁で釣り上げたり、ジンベイサメを見たり、シフト作業をしたり..
貴重が経験が続きます。
それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。
【12月7日 主直日誌】
今日は操業七日目でした。昨日たくさん釣れたので昨日よりもたくさん釣るために、色々な工夫をしました。
午前中の課業は、三級海技士筆記試験が近いということもありブリッジでオートパイロットの勉強をしました。私が今まで見たことのない天候調整、舵角調整、当て舵調整を見ることができました。ただ勉強するだけなら陸でもできますが、実物を見ることで理解が深まり実習船の課業という実感が湧きます。これからも覚えたことを忘れずに勉強していきたいと思いました。
今日はお昼前から操業をし、その時点から徐々に釣れ始めてきました。昨日の最後は特大のカツオが釣れていたので、最初は大きいバケを使い操業をしていたのですが釣れなかったので、バケを変えたらしっかり喰うようになったのでそこの調整が大切だと改めて知りました。
午後の課業が終わった15時辺りからだんだん釣れてきました。午前中のバケのまま操業をしようとしたら周りで大きいものが釣れていたので、航海初の二丁釣りをしました。初めてのペアだったので心配でしたが、二人で力を合わせて釣ることができました。
昨日、餌を大分使い、今日も一カメ近く使ったのでこのままだとあと私が今航で釣るチャンスがあるのは一回ほどなので集中していきたいと思いました。
先生の報告書から
・本日も猛暑の中、汗だくになりながら頑張って特大カツオを釣った。
生徒は皆無我夢中だった。
【12月8日 主直日誌】
今日は操業8日目でした。凍結シフトで、たくさんのカツオやメジなどをブラインからカメに移しました。朝から大変な作業でしたが、これから自分達が釣るための準備なので快く作業することが出来ました。
今日の操業は、朝からたくさんの群れに当たるなと感じました。しかし、カツオを長くたくさん釣ることは出来ませんでした。お昼過ぎの群れでジンベイザメを見ました。4次航海の時も大きなジンベイザメを見ました。その時は操業の時ではなくポンペイ入港前の船洗いの時でしたが、親子で泳いでいて、子供のジンベイザメがとても可愛かったです。今回見たジンベイザメは前回よりも大きく更に釣り台という間近な場所から見たため大迫力でした。専攻科の仲間の中には、小さいコバンザメを釣ってしまう人がいました。今回の経験はとても貴重な経験となりました。一昨日は夕方から爆釣することが出来たため、今日も期待していたのですが期待とは裏腹に少ししか釣ることが出来ませんでした。明日も操業は続くので右舷班には自分達の分まで頑張って欲しいと思います。
操業も大切ですが、私達には3級海技士の免状を取るという大切な使命があります。その為にも課業や自主勉強をする必要があります。試験まで2ヶ月を切っているためできるだけ勉強をしていきたいと思います。
先生の報告書から
・本日も朝から昨日同様凍結シフトを行った。
皆大汗をかきながら大漁のカツオをシフトした。
・猛暑の中、連日調査実習を行っているが、生徒は大分疲労が蓄積されている様子である。最後まで事故や怪我が無いように注意して調査を終えたい。
なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。
【シフト作業】
釣り上げたカツオはブラインと言うマイナス20度近い濃塩水(つまり不凍液)で一気に冷凍します。
急速に冷凍することで高鮮度になります。
しかし、逆に塩水といえども凍ってしまうので、これ以上低温にできません。
そこで、その凍ったカツオをマイナス40度以下の冷蔵庫に移動させるのがシフト作業です。
こんな手間を掛けることで、高鮮度のカツオが水揚げされる訳です。
園長のつぶやき
さて、前回の続きです。
中学生の場合、漁師になる学校は水産高校も選択できます。
しかし、水産高校に行ってない人...どうしましょう?
海技士資格をとる学校はあります。海事教育機関です。
海上技術短期大学校は清水(静岡市)などにありますが、2年間で航海、機関の両方の4級海技士が取得できます。
乗船履歴もつきますので、卒業時に口述試験に合格すればOK。
9ヶ月の航海も経験できます。女子寮もありますよ。
そうは言っても、漁師は、なるより続けるのが難しい職業です。
実際に漁船に就職し、すぐに辞めないためには海技士資格以外のことが問題です。
漁船生活への適応と、コミュニケーションです。
漁船の居室は、実習船ほど快適じゃありません。
同世代の人は少ないし、多くは年上の先輩船員。
3級、4級を持っていれば、最初から1等航海士、機関士になることもあります。
当然、給料もヒラ船員より何割か高い。
ただし、資格があっても、経験がなければ実際の仕事はできません。
漁業は実力の世界。それは漁労(魚を捕る)作業が勝負です。
「こいつは高い給料に見合う働きをするのか」
と言う目で見られます。
学園では海技士の筆記試験だけしか合格できません。
3年の乗船履歴を満たし、口述試験に合格するまで海技士資格はなしです。
その代わり、1年間で現場で使う技術やノウハウを叩き込みます。
先輩漁師との付き合い方も教えます。
そして就職して3年の経験を積めば、一通りの仕事は覚えます。
このタイミングで海技士になり、役職を得ていきます。
中学生も、高校生も、それ以上の人も。
漁師になる方法はいろいろあります。
良く考えて、自分に最適な方法を選んでください。