静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

カツオの大群に当たる!漁場調査5-6日目

2016年12月09日 11時14分46秒 | 28乗船実習

やっとカツオの大群に当たりました!
良かったね。

今回は2日分です。
日誌にもありますが、専攻科生も学園生徒の交流を楽しんでくれていて喜ばしいです。
学園生は県外生も多いし、農業高校の出身者もいます。
大卒者や社会人の経験者もいます。あと剣道の達人も...
専攻科生の刺激になれば幸いです。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月5日 主直日誌】
 今日は、出港から11日目、操業開始から5日目でした。出港してから初めてマンデークリーニングを実施しました。出港してから溜まっていた部屋の汚れを部屋の他の住人と一緒に掃除して、綺麗になったのでとても気持ちが良いです。明日からもこの部屋の綺麗な状態を保っていきたいです。
 自分は今航の操業では、あまり釣れていないので、一本釣り実習に対して貪欲に取り組みたいと考えています。予定ではまだ機会があるので、明後日の調査では一所懸命にナブラを探したいと思っています。
 今航では、今までの本校の本科生とは違い、自分と同年代かそれ以上の年代の人がいる漁業高等学園の生徒が乗船しています。話しをしてみると自分とは全く違う生き方をしている人もいて、聞いていてとても楽しいし、参考になったりします。色々な話を聞くことも良い経験になるので、もっと話したいと思います。まだ話したことがない人も多いので自分から話しかけて行きたいと考えています。
 また、2月には3級海技士の筆記試験が控えています。残り約2ヶ月しかありませんが、試験に向けて一所懸命頑張りたいと思います。専攻科を修了すれば3級の筆記試験は免除になりますが、実力で筆記試験に合格し、実際の現場に於ける実地作業及びブリッジワークに活かしていきたいです。更には、上級試験にも挑戦していきたいと考えています。試験後の結果に対して、後悔しないようにこの2ヶ月を有意義に使っていきたいと思います。

先生の報告書から
・昼食後各居室月曜クリーニング実施
・本日も南洋特有の灼熱猛暑更に強風の中、調査操業実習を行った

【12月6日 主直日誌】
 朝、ラジオ体操で船尾甲板へ出た時「穏やかな平和な朝だ」と思いました。と、思う理由は、連日時化の日々が続いていたからです。波の状態は昨日よりも一昨日よりも良好で過ごしやすい一日でした。午前の課業は、ブリッジにて音響測深器。魚探についての講義を受け、私自身がまだ知らないことも多々ありまだ学ぶべきことが多くあると思いました。
 午後は、六分儀を使った後の海図への記入の仕方を習いました。教官が、分かりやすくマニュアルを作り用意して下さったおかげで分かりやすかったです
 来年の6次航海で3級海技士の筆記試験があり今学んでいる範囲は必ず出るところなので解けるようになりたいです。本来なら、筆記免除ですが筆記試験を受けます。試験を受けることに最初は不満がありましたが、船員さんの話しや教官方から、今後の口述試験に有利になると話しを聞き最善の努力を尽くそうと思いました。
 夕食後カツオの大群に当たりました。私はこの航海で一匹も釣っておらず釣ることが出来て良かったです。私はカツオ船希望なので1丁で釣りましたがパワー不足で一人で釣り上げることが出来ず仲間に助けてもらいました。今後、最終的には一人で釣り上げられるようになりたいです。今回の群れは、入れ食いで休む間はありませんでしたが、私はカツオ一本釣りが好きなので苦とは思わず逆に最高だと思いました。調査も折り返しにきました。まだ、釣れます。
 海技試験まで後2ヶ月弱、この多いような短いような期間の中で筆記試験に受かるように頑張りたいです。「意思(努力)あるところに道は開ける」という言葉を信じるのはもちろん、自分の力で一歩ずつ頑張っていきたいです。

先生の報告書から
・夕刻大きな群れ(ナブラ)に出会う。
 没後も継続し漁業学園、専攻科ともにへとへとになるまでたくさんのカツオを釣った。
 ここまでの苦労が報いる瞬間だ。
 調査終了後は、皆の充実した笑顔と一体感が見られ、更に専攻科生は乗組員と一緒に率先して片付け(カメ換え)作業等を行った。
 残りの調査日数と活餌で更にたくさんのカツオを釣る。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【海技士資格】
主直日誌にも、たびたび海技士試験のことが登場します。
そこで、簡単に説明。
海技士は大型船で必要な資格です。航海、機関、通信があります。
最上位の1級から最下位の6級まであり、大きな船ほど上位の資格が必要です。
また同じ大きさの船でも、沿岸から沖合、遠洋に行くと上位資格が必要となります。

そして、試験は筆記と口述があります。
口述試験を受けるには、決められた乗船経験(乗船履歴)が必要です。
専攻科生の場合、3級の筆記が免除になり、乗船履歴も満たされるので、卒業時に口述試験に合格すれば3級海技士になるわけです。
一方、学園生は在学中に3~5級の筆記を受験します。そして、3年の乗船履歴を満たした後に筆記試験を受けることになります。

大型船で遠洋に行くカツオ一本釣り、マグロはえ縄、海まきで幹部船員にあるには海技士資格が必要です。
多くの大型漁船で、3級があれば船長や機関長になることができます。

 園長のつぶやき
もし、あなたが「将来は大型漁船で働きたい」と言う場合。
船長や機関長になる海技士資格を取るには、専攻科のある水産高校に進学するのが最短コースです。
口述試験に合格する必要はありますが、卒業時に3級海技士が取得できます。
ただし、いくつかの問題があります。
 1 現在、中学生以下であること
 2 通える範囲に専攻科のある水産高校があるか
 3 専攻科修了まで5年かかる
学園はこの3点は大丈夫。
中学から学園への進学も歓迎しますよ。
しかも学費がいらないし、就職も確実にあります。

..ですが、水産高校に進学する方が学園より優れる点は海技士取得だけではありません。
 1 一般科目が勉強できる
 2 大学や専門学校に進学できる
 3 3年間、本当に漁師になるか考える時間がある
「漁船に乗ることに目標を絞る」ことで、さまざま実習、就職先指導を行うのが学園の特徴。
さあ、どうします?

そして、あなたが高校生以上の場合!次回に続きます。

コメント (1)
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