北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■特集展示「THE SNOWFLAKES」(2023年12月9日~2024年3月24日、苫小牧)

2024年03月23日 20時58分12秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 苫小牧市美術博物館の名物「中庭展示」。
 札幌国際芸術祭の関連展示で、おそらく最後まで行われているものです。

 館の公式サイトに、とてもわかりやすい紹介が載っていたので、コピペいたします。

 北海道胆振地方の地域性に根付いた表現活動に焦点を当てる本展では、発案者の奈良美智と飛生とびうアートコミュニティー(北海道白老町)の国松希根太、小助川裕康、奥山三彩からなる4人組のアーティスト・コレクティブ「THE SNOWFLAKES」(2020〜)のインスタレーションを紹介します。

2020年に結成されて以降、北海道をはじめ沖縄、韓国において、海岸に打ち寄せられた漂着物を素材とした作品を発表してきました。その制作スタイルは、既製品や廃材を寄せ集めて作品を制作するジャンク・アートにも通ずるものがあります。流木や石などの自然物やプラスチックなどの廃材の発見、そして、展示空間にオブジェを配置する際の即興性といったプロセスには、主体的な創造性に縛られない偶然の要素も介在しており、そのことが未知の生命体を彷彿とさせる造形や、水流を彷彿とさせる空間構成へとつながっているようです。
この機会に、漂着物がもたらす空間の妙と共に、光と音が一体となったインスタレーションを体感してください。


 
 浮きや漁網が積み重なっているだけなら、よくあるジャンクアートに過ぎないといえるかもしれませんが、それらと異なっているのは次の4点だと思います。

・降り積もった雪。苫小牧の気候を考えると、これは自然の雪ではない

・展示室に流れている音

・中庭に張り渡されている電球の数々(ライジングサン・ロックフェスティバルの「ボヘミアンガーデン」を思い出します)

・中央に立てられた、色あせた赤い旗

 ほかにもあって、筆者が気づいていない可能性もありますが、この4点があってこそ、単なる廃棄物の山ではない、アートになっているのだといえるのではないでしょうか。

 とくに旗は、政治的な含意というよりも、なにかの危難信号のように感じられます。
 この物体の集積が小舟だとしたら、ジェリコーの絵のように、救命を訴える非常の発信なのかもしれません。
 あるいは「旗幟を鮮明にする」という言葉通り、なにかを訴えているという可能性もあります。
 (そのあたりは見る側の自由にまかされているのでしょう)
 
 
2023年12月9日(土)~2024年3月24日(日)午前9時半~午後5時、月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み・年末年始休み
苫小牧市美術博物館(苫小牧市末広町3)
一般300(240)円、高大生200円(140)円、中学生以下無料=鹿毛正三展とセットです

https://tobiu.com/
□HIROYASU KOSUKEGAWA https://hiroyasukosukegawa.jp/
□KINETA KUNIMATSU https://kinetakunimatsu.com/





・中央バス「都市間高速バスとまこまい号」、道南バス「都市間高速バス ハスカップ号」などで「出光カルチャーパーク」下車、約300メートル、徒歩4分

・JR苫小牧駅から約1.5キロ、徒歩20分


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。