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■阿部正子展「光・奏でる」●佐藤きわ子織展「風を感じて II」 (2014年9月25日~30日、札幌)

2014年09月30日 13時16分20秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(10月6日深夜テキスト追加)

 大同ギャラリーの3階で、道展会友で二紀展でも活躍している阿部正子さんが絵画を、おなじく4階で、北海道現代工芸展に出品している佐藤きわ子さんが、同時に個展を開いている。

 阿部さんは、意外にも個展は初めてとのこと。

 道展で協会賞を得た頃に比べると、写真的なリアリズムはやや後退し、乾き気味の筆で淡い色調の画面をつくるようになっていると見受けられる。
 後景がぼんやりと見えるのは、被写界深度の浅い写真のような効果をあげている。また、大作では、空中に魚などが自在に泳ぐという着想は変わっていない。

 とくに目を引いたのが、向かって左側の壁面にあった大作(S100号)の2点。
「生まれる―明日」「生まれる―希望」 





 咲いている花はブーゲンビリア。空気中を泳いでいる黄色の魚はミナミコンゴウフグ。
 猛毒だ。

 阿部さんはそこに、原発事故や放射性物質の隠喩を表現したという。
 言われないと分からない。でも、そういう意味のこめ方というのも、あるのかもしれない。

 この2点の間に挟まって展示されていたのは「晩夏」。セイタカアワダチソウを描いた。

 ほかに、出品作は次のとおり。
貴妃の午睡(F10)
蒼いソクラテス(S100)
爽(F4)
早春(SM)
女神たち
業火(SM)
朝日のささやき(S20)
君待つ(F3)
お山の上と下と(F4)
花かんざし(F3)
煌めく刻(S100)
デュエット(SM)
A KOGA(S100)

 なお、会場の壁面を不織布で覆っていた。
 大理石のような壁が硬い印象を与えるからだというが、筆者の目には、かえって工事中のようにうつり、集中を妨げるのだった。


 一方、上のフロアでは、染織の佐藤きわ子さんが個展を開いている。

 同じ大きさの布を5枚つりさげたインスタレーションふうの「風を感じて」は、以前、ギャラリー門馬アネックスで開催した個展の再現とのこと。空調でゆらゆらと布が揺れるのがミソだ。

 流氷などを材に得た作品は、北海道の風土をしっかりと反映して、シャープな印象を残す。

 佐藤さんは日本現代工芸展などに出品している。


2014年9月25日(木)~30日(火)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
大同ギャラリー(中央区北3西3 大同生命ビル3階)


GRUPO DE b-FA 北海道芸術デザイン専門学校絵画芸術研究室展 (2009)


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