北海道美術ネット別館

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■第56回札幌墨象会展 (4月12日まで)

2009年04月09日 22時53分18秒 | 展覧会の紹介-書
 年2回展覧会をひらいている札幌墨象会。
 春は大作、秋は小品という、おおまかな区分になっている。
 ただし、昨年は天井が高い1階だったので、高さのある大作が多かったが、今年はそれほどでもなく、最大でも高さ360センチだ。

 社中の30人が1点ずつを出品している。
 目についたのが淡墨を使った作品。佐藤美恵子、土屋湖雁、東志青邨、松田稲峯、三上千代の各氏が淡墨による。
 このうち土屋さん「不動心 II」が、まるで滝が流れ落ちるような迫力で、目を引いた。

 ユニークだと思ったのが佐藤放心さん「無」。
 虹のアーチのような形の文字だ。
 始筆が左下なので、墨をたっぷりふくんだ筆から墨汁がぽたぽたとしたたり落ちてできた太い線が、紙の左側に、縦に生じている。「書き始める前」の行為がこれほどくっきりと刻印されている作品もめずらしいだろう。

 三上山骨さん「∞」は、この記号の特性上、始筆と終筆の場所が、見てもわからない。それでよけいに、無限とか永遠の感じが強まっているようだ。

 竹本克子さん「偲」は、にんべんが途中で一時切れるあたりに、書家の息づかいが感じられておもしろい。ロックで瞬間的に音がとぎれることがあるけれど、それを思い出した。

 代表の島田青丘さんは「断崖」。
 字からつたわってくるある種の切迫感、焦燥感は、ここ数年変わっていない。筆者だけが感じるのだろうか。いったい何に由来するのだろう。黒い文字の上に走る亀裂のような白い筋のせいだろうか。


2009年4月8日(水)-12日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

第53回札幌墨象会展(2007年)
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02年秋
札幌墨象会12人の書展
第40回(01年春)




・地下鉄東西線「バスセンター」駅10番出口から徒歩4分
・ジェイアール北海道バス、中央バス、夕鉄バス「サッポロファクトリー」から徒歩7分(ジェイアールバスと中央バスは、札幌駅から現金のみ100円)
・中央バス「豊平橋」から徒歩9分(月寒、清田、平岡方面から来る人は、これもひとつの手)


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