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■ 久野志乃個展 森の配置、ひかりの距離で(2020年8月27日~9月9日、札幌) 9月7日は6カ所(5)

2020年10月08日 08時48分37秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前) 

 9月上旬から4度にわたり札幌に出かけてきましたが、最初の札幌行きで見た展覧会のうち、久野志乃さんの個展のみ、まだ紹介していませんでした。

 久野さんは日高管内様似町生まれ、札幌在住の画家。
 かつて全道展で入賞したこともありますが、団体公募展とはおおむね無縁で、個展や2人展を中心に活動しているようです。
 この十数年、取り組んでいるモティーフは「他者の記憶」です。

 冒頭画像の絵は「拡散する青の森をすり抜ける」。
 具体的な光景を描いているのにどこか非現実的で、また、なにか物語性をたたえているのにもかかわらず明示している場面と物語が不分明なのが、特徴といえそうです。
 この絵も、夜の木々の中を歩く女性の周囲に、斜めの線が画面を覆い尽くすように走り、レイヤーを複雑なものにしています。

 サーチライトを手にしたような人物が描かれた作品が多いのも、今回の個展のポイントかもしれません。
 繁茂する植物など曲線が目立つ画面をうまく引き締める要素になっています。

 登場する海あるいは湖はどんな水で、描かれた森はどこの森なのか。
 見る人を、果てしのない思いにさそう作品群だと思いました。


2020年8月27日~9月9日(水)午前11時~最終日午後4時、会期中無休
GALLERY門馬(札幌市中央区旭ケ丘2 www.g-monma.com)

www.shinohisano.com

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=以下、画像なし
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第2回 具象の新世紀展(2002年)=12日の項
ロッパコ報告会(2002年)

久野志乃・遠藤香織展 あいまいなあいま(2001年)
全道展(2001年)
北海道教育大学札幌校美術科卒業生制作展(2001年)

おなか(2001年)=画像あり


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