オホーツク管内小清水町の海沿いにある原生花園には、一度も行ったことがなかったので、9月11日の日曜を利用して訪れた。
果たして、大半の花の見頃は終了しており、秋の初めのさびしげな海が、心にしみた。
たぶん7月あたりを訪れたらユリなどが咲いて、もっと美しいのだろう。
言い訳がましくなるが、北の夏は短い。
週末などに空模様が思わしくなかったり家族の予定がうまく合わなかったりしたら、見ごろはあっという間に過ぎ去ってしまう。
さらに、筆者のように、休みの過半を美術展のために費やしておれば、なおさら好機を逃しやすい。
言われてみれば、子供を海水浴に連れ出したこともなかった(反省しています)。
さて、オホーツク地方にはいくつか原生花園があるが、この小清水の原生花園は最も有名で、夏の間だけ近くに臨時駅も開業する。
ちょうどオホーツク海と濤沸湖の間に挟まれた砂洲上に、さまざまな花が自生している。
余談になるが、涛沸湖は、網走市と小清水町にまたがっており、冬はハクチョウの飛来でも名高い。
周辺には馬が放牧されており、いかにも北海道の東部らしい、はろばろとした風景が広がる。
網走市は、涛沸湖のほか、網走湖、能取湖、藻琴湖と、市内に四つも湖がある。これは、全国的にも珍しいのではあるまいか。
ハマナスの花。
咲いていたのはわずかで、大半は、次の写真のように、赤い実になっていた。
娘が
「これ、ミニトマト?」
と聞くのが、おもしろい。
オオウバユリが枯れて立っていた。
鳴き砂の海岸という看板が立っていたが、歩いても音が鳴っているような気がしない。
原生花園駅からひとつ斜里寄りの駅が浜小清水。
ここは、JRの駅と「道の駅」が合体した、ユニークな駅舎だ。
なお、小清水町の役場などがある市街地は、浜小清水から9キロほど内陸にある。
浜小清水駅のほど近い丘の上にある「フレトイ展望台」。
入場無料だが、地下のマルチスライドショーは200円。
釧網線を走る2輛編成のディーゼルカー。
バックに広がるのは涛沸湖。
フレトイ展望台のある丘では、ススキが風になびいていた。
この日、小樽では鉄路写真展が終了した。
いくら引っ張ってみても、この日が北海道の夏の終わりだろう。そう思うと、しんみりした気持ちになった。