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■German Suplex Airlines「Big Buddha Project -令和の大仏造立-」第1期(2023年1月7日~22日、札幌) 1月14日は11カ所(2)

2023年01月17日 18時33分00秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 以前も書いたが、たくさん見て回ろうと思ったら、遠くて、かつ、早い時間からあいている会場を、まず朝イチで目指すことが基本である。
 「BIG BUDDHA PROJECT」は朝9時から開いている。

 丸3年を迎えようとしている新型コロナウイルス禍は、表現の機会を制約すると同時に、さまざまな表現に直接間接の影響を与えてきた。
 おそらく、アーティストコレクティブ(グループともいう)German Suplex Airlinesによるプロジェクト「Big Buddha Project」は、その中でも最も色濃くコロナ禍を反映したものだと思われる。

 それにしても、ジャーマン・スープレックスとは。
 テレビのゴールデンタイムでプロレスを見た世代にはなつかしい響きのことばだろう。クライマックスに繰り出される大技である。



 フライヤーから引用する。

感染症そのものの恐怖・不安だけでなく、そこから引き起こされるヒステリックな状況を「誰もが参加できる前向きなアクション」で浄化し、人々のエネルギーを未来へ向けたい。また、感染症の収束を願って、祈るための対象として大仏を作りたい。―――そうした思いからスタートして約3年。全国各地を行脚し、地域の人々と交流し、作ってもらった「ミニ大仏」は約1000体となりました。

本展では、このミニ大仏を使って、高さ約6mの「令和の大仏」を作り、ガラスのピラミッド内に展示します。また、会期中にはワークショプを開催し、さらに多くの方々に大仏造立に参加していただく予定です。会場内では各地を巡った「勧進キャラバン」の記録や、様々なドキュメントの資料もあわせて展示します。


 22日までの「第1期」では、上半分(3メートル)の展示。
 第2期は2月1日(水)~19日(月)、ガラスのピラミッド内のアトリウムに全身をお披露目するとのこと。
 
 
 「大仏」といっても、奈良や鎌倉にあるような大きな姿ではなく、段ボールでつくった棚に、全国各地の人々が装飾したミニ大仏(よく考えると矛盾した言い方だけど)を並べている。

 ミニ大仏は約千体あるらしい。
 段ボールはチープな感じもするが、それも現代的な印象を漂わせる。
 
 
 何より好もしいのは、すべて同じ大きさと形態のコンクリート製のミニ大仏が、ひとつとして同じ格好をしていないこと。

 それぞれが、つくった人の個性を感じさせる。
 見ていても飽きることがない。

 ウサギの帽子を毛糸でこしらえて大仏様にかぶせた人は、祭太郎さんだろうか?
 
 
 今回のプロジェクトを進めたのは、ジャーマン・スープレックス・エアラインズの6人のうち、前田真治さんと、札幌の風間天心さんだという。

 会場では、特設ワゴン車で全都道府県を巡ったというキャラバンのビデオや、大仏の遍歴を描いたアニメーションも流れ、記録写真もたくさん貼られている。

 奥のスペースは、会期中の土日祝日に行うミニ大仏作りワークショップの会場となっている。
 必要な道具は会場に用意してあり、500円で参加できるとのこと(持ち帰りの場合1500円)。
 


 ただ、筆者の個人的な意見を言わせてもらえれば、このプロジェクトには共感できない。

 全国あちこちを回って、各地で人が集まってミニ大仏をつくるというのは、ウイルス拡散を力いっぱい手助けしているようなものだ。
 ほんとうにコロナウイルスをおさえようと思ったら、全国を回ったり人を集めたりしないで、自分の陣地にこもるしかないのである。


2023年1月7日(土)~22日(日)午前9時~午後5時、月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)
モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(札幌市東区モエレ沼公園)
https://moerenumapark.jp/

https://shinjimaeda.com/

http://www.tengshing-k.com/

過去の関連記事へのリンク
チ・カ・ホのお正月(2018)
チ・カ・ホのお正月 (2016~17年) ※いずれも風間天心さん出品



・地下鉄東豊線「環状通東駅」(H04)、1番乗り場で、中央バス「東69 あいの里教育大駅行き」に乗り継ぎ「モエレ沼公園東口」降車。約840メートル、徒歩11分



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