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■−雪と光のプロジェクト− SAPPORO YUKITERRACE さっぽろユキテラス2017 (2月4~12日)

2017年02月13日 20時34分22秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 会期中にアップできずに、申し訳ありません。
(※一部文章が脱落していたので、追加しました)


 「さっぽろユキテラス」は、さっぽろ雪まつりと同時期に、道庁赤れんがの正面の北3条広場で行われています。
 サイトによると
「札幌の特徴の一つでもある“雪と光”をモチーフにして冬の魅力を発信するプロジェクト」
とのことです。
 Facebook には
「雪と光をモチーフに冬の札幌の魅力を再発見し、メディアアーツ都市・札幌を世界に向けて発信するプロジェクトです」
とあり、ちょっとニュアンスが異なります。

 2015年の第1回は、光線の柱が上空へと立ち上っていた光景をはっきりと覚えていますが、昨年は、伊藤隆介さんが出品していたにもかかわらず、全く記憶にないのはどうしたわけか…。

 今年は、五十嵐淳、クォン・スンチャン、久門剛史、八木良太、山城大督の5氏。

 このうち五十嵐さんは道内出身の建築家。
 クォンさんは韓国の作家。
 残る3人は道外からの出品です。

 五十嵐さん以外の4人は、このような「かまくら」の中に作品を設置したり、上映したりしています。
 入り口には、白く厚い布がかけられ、内部に光が差し込まないようにしています。


 さて、筆者が見たなかでいちばん興味深かったのは、八木良太さんの作品「Vinyl」。

 なんと、氷でレコードをつくり、それをプレイヤーで再生しているのです。

 レコードからは、ガリガリという雑音が聞こえてくるばかりです。
 しかし、これは毎日カッティングを行っていて、早い時間帯には音楽が聞き取れることもあるのだそう。
 もう一度、正午過ぎに行ければ―と思いましたが、けっきょく会期中に再訪はかないませんでした。

 氷でレコードをつくるという発想がおもしろいと思いました。
 札幌の冬は終日氷点下というのがふつうですが、そういう環境でなければ成立しない作品だからです。


 クォン・スンチャン(Seung-Chan Gwon)さんのインスタレーションです。

 作品は大きく三つの部分からなっています。

 上部は、角材やネオンサインの棒をななめに何本も組み合わせています。

 中央にはテレビモニターが置かれ、廊下や通路のような薄暗い空間でダンスを踊る人物などをとらえた短い映像がループで流れています。

 そして、これがいちばんビックリするのですが、下の方には、ごみが積み重なっています。不要のちらしや、かいろの包み紙などさまざまです。
 「ごみを捨ててください」というパネルも日本語と英語で設置されていました。
 参加型の作品だと思い、筆者もコートやかばんのポケットをさぐってみましたが、こういうときに限ってごみの持ち合わせがありません。

 作者の意図はわかりませんが、清らかなイメージの強い北国の冬を、皮肉っているようでおもしろかったです。
 札幌の人は知っているでしょうが、雪解けの季節ともなると、冬の間に捨てられたごみが道路に顔を出します。春先が汚いのは、泥やほこりのせいだけではありません。
 雪の下に隠されたごみを可視化した作品かもしれないなと、思いました。


 冒頭画像と、以下の2枚は、5人の中で唯一、かまくらではなく屋外に作品を配置した五十嵐さんの作品です。

 ちょうど露天風呂のような形状をしており、来場者は、左右の狭い口から身をかがめて内部に入ることができます。

 内部は、いすが置かれており、それに腰掛けて、何本も張り渡された赤い帯の隙間から頭部を出すと、見た目にはほんとうに露天風呂に入っているような格好です。

 ただし、実際に入ってみると、建築家の意図とは違ってかなり寒かったです。

 まあ、北海道の冬というのはかなり寒いんですが、どうしてみなが平気な顔をして屋外にいられるのかというと、ほとんどは歩いているからだと思うんですね。
 体を動かしていれば、寒くても耐えられますが、じっとしているのはけっこうつらい。
 たとえば、停留所でバスを待っている人は、体をすくめて足踏みをしています。

 なので、雪の壁に囲まれているとはいえ、「ただ坐っている」ことが、「相対的に暖かく感じる」というのは、どうなのかな~と個人的には感じました。

 最後の画像は、実際に中に入って撮った写真です。



2月4日~12日(日)正午~午後8時
札幌市北3条広場“アカプラ”(札幌市中央区北3西4と北2西4)


□公式サイト www.sapporoekimae-management.jp

雪と光のプロジェクト さっぽろ ユキテラス2015


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