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■自由美術北海道展 (2014年7月21~26日、札幌)

2014年08月11日 22時59分14秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 戦前戦後の一時期、日本の前衛美術に大きな影響を与えた自由美術協会は、その後分裂を繰り返しつつも、現在に至っている。
 展示の際、会員・一般の区別を明示しないことなどは、自由美術の伝統である。

 北海道のメンバーは、毎夏に札幌時計台ギャラリーで展覧会を開いている(ただし絵画部のみで、彫刻部は参加しない年が多い)。団体公募展の支部は道内にたくさんあるが、これだけ長い期間、支部展を欠かさず開催しているのは、自由美術、春陽、日本水彩画会ぐらいであろう。




 澤田弘子「断章(夜景)」
 澤田さんは以前は、枯れ木と人間のあいのこのような不思議なモティーフを描いていたので、この変貌には驚く。木目だけが残って空間を構成しているかのような作品。
 このほか「断章」「風景」。




 能登智子「響(キョウ)」
 おなじ時期にギャラリーたぴおで開催されていた抽象展、新たに参加した北海道抽象派作家協会など、活躍めざましい能登さん。
 空間にみなぎる緊張感が素晴らしい。




 河合キヨ子「孤独な魚」
 河合さんは新道展会員でもある。ほとんど一貫して、リアルな板の描写と、浮かぶサヨリなどの魚というモティーフの作品を描き続けている。
 新道展でリーダー的な存在のひとりと目されていた故阿部国利さんの影響を多かれ少なかれ受けてきた作家群は、歿後13年を経て画風も分化しつつあるのは当然といえようが、メーンのモティーフが空中に浮かんでいるというところは変わっていないという人が多いようだ。
 ほかに「一匹の魚」。




 永野曜一「星雲との対話」
 永野さんも抽象画の要諦を心得ている人だなと、いつも思う。作品世界が大きく感じられる。
 ほかに「明日への助走」。




 山本昇「早春譜」
 ふにゃふにゃ~としたタッチで、見ているほうが脱力しそうな山本さんの絵だが、基調はもう10年以上変わっていない。
 ほかに「春の唄」。




 奥は森山誠「memory '13-5」
 左は高橋靖子「2014作品(I)」「2014作品(II)]

 右は、杉吉篤「早朝の光」。

 他の作品は次の通り。
岡野修己  眠れぬ宙1、眠れぬ宙2
大崎和男  イランカラプテ
牧 輝子  春の気配、砂漠のまち
黒田 孝  土はみているII、土はみているIII
北島裕子  光の旅1、光の旅2、光の旅3
さとうえみこ エジンバラ、ゆうえんち
深谷栄樹  冬の木、水辺A
佐藤泰子  つりあげられたさくらfinish、天空に舞うさくらfinish
工藤牧子  雪ノヒノヒトトキノ青空、冬ノヒノアサヤケ



2014年7月21日(月)~26日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)


□自由美術協会公式ウェブサイト http://www.jb.vis.ne.jp/

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佐藤泰子展―小品 愛しきものたち (2014)

杉吉篤個展 (2014)

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