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旅程を考える●抜海へ、冬の旅(11)

2025年02月11日 18時16分06秒 | つれづれ日録
(承前)

 大通公園の「泉」や札幌駅前の「牧歌の像」などで知られる札幌生まれの彫刻家、本郷新。
 彼の釣り人としての号は「抜海」でしたが、その名を持つ抜海駅が3月のダイヤ改正で廃止されると聞いて、冬の旅に出ました。
   
 
 ところが、抜海駅に止まる下り列車は1日3本しかありません。
 札幌を朝早く出る特急「宗谷」に乗っても、この3本のうち2本は、「宗谷」が稚内に着く午後0時42分にはすでに終着の稚内に到着しています。
 
 残りの1本の列車は午後7時33分に抜海に停車します。
 この列車なら、札幌を多少ゆっくり出て、筆者が乗ってきた特急「サロベツ1号」に乗っても、名寄以降で乗り継ぎがじゅうぶん可能です。
 しかし、抜海にはほかに公共交通機関が無いので、この最終列車で降りても、そこからとる手段がほとんどありません(抜海に民宿があるので、車で送迎してもらえるかもしれませんが)。

 おそらく多くの「乗り鉄」が取る手段は

 稚内で宿泊
→稚内発10時28分の普通列車「4326D」名寄行きに乗り、抜海に10時46分下車
→抜海発11時48分の普通列車「323D」稚内行きに乗る

という、稚内⇔抜海折り返しパターンではないかと推察されます。
(このほか、稚内を5時21分に出て、5時39分抜海着、7時50分抜海発、8時8分稚内着という早朝折り返しパターンもありますが、この時季に5時39分に着いてもあたりは真っ暗な上に、死ぬほど寒いのは間違いありません)

 筆者も最初は折り返しパターンを考えました。

 しかし、本郷新は釣り人です。
 抜海の周辺で釣りをするなら、抜海漁港の岸壁でしょう(このあたりには渓流はなさそうです)。

 とすれば、漁港と駅の両方を見るべきですが、抜海駅で降りて漁港まで往復すると、帰りの汽車に間に合わないのです。

 抜海漁港と駅のあいだは約2.6キロ。
 これを1時間2分で往復するのは、とりわけ冬の間はかなり厳しいです。
 上の地図の「漁」の文字のあたりに抜海駅があります。

 仕方がありません。

 抜海漁港までタクシーに乗り、そこから抜海駅まで歩いて、列車で稚内市街に戻る

という「変則折り返しパターン」で行くしかないでしょう。

 ただ、稚内駅やホテル周辺からタクシーを利用するのは高くつきます。
 南稚内駅のあたりも繁華街ですから、そこで拾えばいいでしょう。
 幸い、稚内駅と南稚内駅の間は、地方都市とは思えないほどの、1時間に3、4本という頻度で、宗谷バスの路線バスが走っています。

 さっそく稚内駅前からバスに乗りました。


 稚内のマチは海と山に挟まれていて、縦に細長いです。
 南稚内駅のあたりまで来ると、平野に広がっていますが…。
 大ざっぱにいうと、

  山 バ ア 国 副 海
    ス | 道 港
    通 ケ   通
    り |
      ド
      街

という感じになっていて(縦の通りは4本しかない)、バスは、市役所や市立病院などが並ぶ、山沿いの道を走ります。
 半分以上の停留所で乗り降りする客がいて、市民の足として定着しているようすがうかがえました。

 南稚内駅の近くでは、懐かしいターンテーブルを見かけました。
(写真は取りそこねました。苗穂や遠軽、倶知安などにも残っているので、道内の鉄好きはあまり反応しませんが、実はかなり珍しいものらしい)

 南駅前という停留所で降りましたが、駅舎がどこにあるのかわからず、ちょっと戸惑いました。
 いまはスマートフォンとGPSがあるので、マチの中で道に迷うということは、ほとんどないわけですが…。




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