北海道美術ネット別館

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■これくしょん・ぎゃらりい 新収蔵品展 (7月5日まで)

2009年07月01日 21時17分51秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
承前

 年度初めのキンビの常設展示室では、前年度に新たに収蔵した作品を紹介する展覧会「新収蔵品展」をひらくのが常となっている。
 2008年度に新たに収蔵した作品は15点。
 購入がゼロで、すべて寄贈というあたり、道財政がいかに思わしくないかを、如実に物語っている。

 このうち、わりと大きい絵が米谷雄平「裂」とパウル・オシポーの「KLARA」。
 米谷さんは戦後世代で初めて同館で回顧展がひらかれた現代画家だが、先年がんのため歿している。
 その米谷さんが参加していた国際美術展「第2回サッポロトリエンナーレ」(1984年)の出品作が「KLARA」。フィンランドの画家の手になる抽象画だ。

 ほか、居串佳一、岩田華谷、繁野三郎、高橋好子が各2点、服部光平、林竹治郎、疋田敬蔵、平沢大〓(日へんに章)、平沼深雪が各1点。すべて絵画。
 このうち、居串の1点は「スケッチ帳」、疋田は「写生画帳」であることからもわかるように、作品がどうこうというより、資料的価値で収蔵したという印象が強い。
 平沢は帝銀事件で逮捕された死刑囚として有名だが、戦前はテンペラ画や水彩で活躍していた。しかし、今回の「春近し」を見ても、どこがいいのかよくわからない。
 北海道の水彩画家のはしりである繁野の「バラ」は、紙ではなく絹に描かれているのがユニークだ。

 2009年度の「これくしょん・ぎゃらりい」1発目は「はじめに、光ありき」「新収蔵品展」のほか、「版の旅 北岡文雄展」の3本立てとなっている。

 7月11日からは、「Northern Aspects #02 杉山留美子 ―光満ちる時」「帝展の若き道産子 上野山清貢・加藤顕清・山口蓬春」「ウォームアップ・ギャラリー ぎゅうぎゅうマジック」「ふれるかたち」の4本立てとなる(10月18日まで)。
 「ふれるかたち」は、毎年恒例の、手でさわれる彫刻展。
 筆者は、杉山留美子展がたのしみ。特別展示室の「チベット」には行かなくても、こちらは絶対に見てやろうと思っているのだ。


2009年4月24日(金)-7月5日(火)9:30-17:00(入館-16:30)、月曜休み
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D)

一般・大学生500円、高校生250円(土曜は無料)、中学生以下・65歳以上・障碍者無料

・地下鉄東西線「西18丁目」から徒歩4分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館」から徒歩1分


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