大石俊久さんは、ふだんは、陶芸教室で教えたり、うつわを作ったりしている若手陶芸家ですが、こういう個展やグループ展の場では、うつわとはかけ離れたインスタレーションやオブジェを発表しています。
今回の個展では、「土や大地が持っている時間・記憶」といったものを考えながら、制作しました。
細長いギャラリー空間を貫くように、中空の大きな立体が置かれています。立方体に近いかたちのパーツ20個ほどを、つなげて並べました。
指の跡も生々しい表面は、非常なパワーを感じさせます。
そして、奥のようには、天井から床までを貫いて1本の柱が立っています。
もちろん、こんなに大きなサイズのものは窯に入らないので、いくつかのパーツに分けたものをつないでいます。
実は、それぞれのパーツは中空になっていて、中心を物干し竿が貫通しているそうです(たしかに、陶片を重ねただけでは、倒れる危険性がある)。
このギャラリーを特徴付ける最奥部のテラスには、ごろんとしたオブジェが床に置かれています。
筆者は、枯山水の庭を思い出しました。
左の画像は、先に述べた柱の一部分です。
大石さんは
「この柱が3、4本あったら良かったのにと、ある人に言われました」
と話していましたが、たしかに、だいぶ印象が変わったかもしれません。
「積み重なり」を表現するのであれば、中央の大作も、横に長く並べるのよりも、ほんとうは、垂直に立たせたいところです。ただ、会場の制約などもあり、言うは易く行うは難しでしょう。
いずれにしても、きれいに整えられ作られた陶器とは全く異なる、土が本来持っている強さと悠久の時のようなものをあらためて感じさせてくれる個展です。
2015年4月21日(火)~30日(木)午前11時~午後7時
ギャラリー門馬ANNEX(中央区旭ケ丘2)
大石俊久「渾然として木となる。」 ハルカヤマ藝術要塞
・地下鉄東西線「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、約130メートル、徒歩2分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川(さかいがわ)」降車、約500メートル、徒歩7分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、約800メートル、徒歩10分
・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」もしくは「南11西22」降車
※駐車場もあります。帰路は、旭丘高校前で良いバスの便がない場合、階段を下りて「南11西22」までいくと、休日の日中で1時間に5、6本のバスがきます(ただし、行き先は、円山公園駅、都心などバラバラ)
ブログも掲載いただき、ありがとうございました。
今後も地道に頑張っていきたいと思いますので、
何卒よろしくお願いいたします。
大石
今後も拝見する議会がありましたら、よろしくお願いします。