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■東川賞特別賞受賞記念 奥田實写真展 野菜熱 (2018年10月24~29日、札幌) 10月24日は10カ所(4)

2018年10月30日 10時21分00秒 | 展覧会の紹介-写真
(承前)

 北広島から乗った普通列車を、新札幌で降りて、新さっぽろギャラリーに立ち寄る。

 上川管内東川町を拠点とするベテラン写真家奥田實さんが写真展を開いていたが、これがとてもおもしろいのだ。

 奥田さんの近年の仕事は、自宅の庭で育てた野菜のブツ撮り。
 背景を白く飛ばしているので、ちょっと見ると植物画(ボタニカルアート)のようだ。
 今回は、テーマが野菜。たとえば「アキタブキ(フキ科)」では、春先のフキノトウ、その断面、白い花、フキの大きな葉、秋に枯れた葉など、複数の画像を、一枚におさめている。
 本人は、これを
「ボタニカルフォトコラージュ」
と称しており「野菜の一年を凝縮しています」と説明パネルに書いてあった。
 「野菜も植物だよ」ということをあらためて強調しているのだ。

 この方法論で撮った作品はほかに
メキャベツ(アブラナ科)
ルバーブ(タダ科)
ゴボウ(キク科)
ニラ(ヒガンバナ科)
エンドウ(マメ科)
エゾネギ(ヒガンバナ科)
タマネギ(ヒガンバナ科)
オクラ(アオイ科)
ナス(ナス科)
ミニトマト(ナス科)
ピーマン(ナス科)
アスパラガス(キジカクシ科)
レタス(キク科)
トウモロコシ(イネ科)
ダイズ(マメ科)

 「キャベツ(アブラナ科)」だけは、単体で撮影していた。

 この写真展のどこが重要かというと、都会で消費者として暮らしていると、スーパーマーケットでトレイに包装された、工業製品のような野菜しか思い浮かべなくなってしまいがちなのである。
 しかし野菜は、なんといっても生き物だ。ゴボウやタマネギだって花は咲くし、アスパラガスは実をつける。

 野菜が植物であるという、当たり前なのに忘れがちなことを、あらためて思い出させてくれる写真展だった。


 この後、新さっぽろ駅から地下鉄東西線に乗り、大谷地駅でバスに乗り継ぎ、帰宅した。



2018年10月24日(水)~29日(月)午前10時~午後7時
新さっぽろギャラリー(札幌市厚別区厚別中央2の4 デュオ2 5階)

・JR新札幌駅、地下鉄東西線新さっぽろ駅直結


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