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■西村明美銅版画展「千年花」 (2018年7月14~23日、札幌)

2018年07月23日 16時03分33秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 西村明美さんの銅版画は、一般的な版画と異なり、単一の版をスタンプのように、押す位置を変えたり、異なる色のインクを用いたりすることで、ほぼ無限のバリエーションを作りだしています。
 このたび、幅1メートル(1000ミリで、今回の個展タイトルに通じます)の版に対応できる大型プレス機を導入。
 正方形のパネルを10枚並べた作品には、四つの版を用いました。ふだんの西村さんの作風を知っていると「大きな花と中くらいの花で、版は二つかな」と、一瞬思ってしまうのですが、よく見ると、花の向きや形状が違います。
 花の絵は、パネルをまたいでプリントされています。絵は、それぞれのパネルの側面にも続いています。

 色あいは両端が薄めで、「人生のフェイドイン、フェイドアウトみたいなことを意識した」と西村さん。
 同一の版でも、インクの種類やふき取り具合、プレスの仕方など、さまざまな要因で、色の出方は変わってくるそうです。


 
 小品「アストロメイア的思考」のために制作した版は、なんと23種類!
 制作に使った版も展示してありました。

 この花は早く枯れてしまうらしく、制作中に何度も買い替えたそうです。千年はもつともいわれる銅版とは対照的です。
 そんな長い間保つ銅版で短い命の花を表現するというところに、おもしろさを感じないではいられません。

 タイトルは、西村さんが花を見ながら、この花も何かを考えているのかもしれない―などと考えたところから付けたとのこと。
 福音書に登場する花は、明日を思いわずらってはいないようですが…。



2018年7月14日(土)~23日(月)午前11時~午後6時
ギャラリー創">ギャラリー創(札幌市中央区南9西6)


□銅版画日記 http://an-unit.cocolog-nifty.com/

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