北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■矢元政行小品展―眠らない世界 (2022年6月22~27日、札幌)

2022年06月29日 09時38分57秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 登別在住のベテラン画家矢元政行さんの絵は、くだくだしい説明は要らないと思うので、今回は部分のアップの画像を冒頭に掲げてみました。
 「バオバブ(神の樹)」(2020、F10)だと思います。

 ダクトにつかまったり、はしごをよじのぼったりしている人物が、細かい筆で、膨大に描かれていて、いつ見ても驚かされます。
 男も女も、大人も子どももいます。
 しかしブリューゲルの「子どものあそび」と異なり、なにか特定の遊びや労働に携わっている人はおらず、なんだか虫のようにうごめています。
 
 
 左は「屋上のグランド」(2021、F6)。
 右は「ドーナツハウス」(2016、32×44.5センチ)。

「グラウンド」ではなく「グランド」です。

 人々が群れているのは、蒸気を吐き出すダクトやパイプのあるなぞの建造物だったり、巨大なサツマイモや古びた長屋だったりします。

 
 会場正面の3点。
 左から
「眠らない長屋」(2022、22×72センチ)
「眠らない塔」(同、Wm4)
「密集」(2020、W4)。

 画面全体に絵の具の飛沫が散っていることがあるのが、近作の特徴といえるかもしれません。

 そういう1点でもある「眠らない塔」に近づいて見てみます。

 
 すごい描き込みです。
 先ほどブリューゲルの名を出しましたが、愚者の集まりとも見えるさまはたしかに北方ルネサンスの巨匠を思い出させるところがあると思います。

 出品作のうち「ビルディング」と題したF0号の2点と「東京スカイツリー」(2019、WSM)の計3点だけは、人物が描かれず、高層建築だけの絵でした。
 他の出品作は次のとおり。
黄色のドーム

眠らない家 A (2022、SM)
グランド (2021、27.0×53.0センチ)
さつまいも (2019、16.7×20センチ)
さつまいも (2019、F3)
赤いタンク (2018、SM)
人間の樹 (2019、F4)
人間の樹 (2016、SM)

 矢元さんは行動展と全道展の会員。


2022年6月22日(水)〜27日(月)午前10時~午後10時(土日月~7時、最終日展示~5時)
カフェ北都館ギャラリー(札幌市西区琴似1の3)

過去の関連記事へのリンク
行動美術五人展 (2020)
ACT5-それぞれの現在- (2016)
行動展北海道地区作家展 (2016年3月、画像なし)
矢元政行小品展 混沌なる風景 (2015、画像なし)
矢元政行「記憶の中の情景」(2010、画像なし)
第62回行動展 (2007、画像なし)
矢元政行展(2003、画像なし)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。