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大丸藤井セントラルの入り口に飾られたモリケンイチさんデザインによるディスプレイ

2017年12月29日 12時15分25秒 | 情報・おしらせ
 
 これアップするの、忘れてました。

 札幌はもちろん全国的にもおそらく最大級であろう文具・画材のお店、大丸藤井セントラルの正面入り口に登場したディスプレイで、市内の画家モリケンイチさんの原画によるものです。



 「メリークリスマス」とあるから、25日過ぎたら、はがされたのかな?


 すぐ横にモリさんによる解説が貼られていて、「宗教的厳格さよりも日本的クリスマスの楽し気なイメージを優先させました」とあります。

 といいつつ、クリスマスツリーを縦軸に、上下に3人の対を、左右に2人(女の子と雪だるま)の対を配して、十字架の形にしている―と、ちゃんと宗教的な含意をしのばせているのがモリさん流です。

 下のほうの、トナカイの皮をかぶった3人の男の子は「東方三博士の来訪」を暗示しており、鹿坊やと天使とは「地上的祝福」と「天上的祝福」の対比でもあるとのこと。
 天使は「受胎告知」の主題をあらわしてもいます。

 そして、こちらは男女、もしくは死と生の対比をも暗示しているとのことです。

 最近は雪だるまを、西洋式の3段組で描く人がけっこういて
「なんだかなあ」
という気持ちになることが多いのですが、モリさんの描く雪だるまは由緒正しい? 上下2段の日本式で、好感が持てました。

 なお、ツリーは実際にエントランス内におかれているもので、モリさんが描いた平面作品ではありません。


 そして、赤いサンタコスチュームの女性は、福音書に登場し、イエスのはりつけにも立ち会っている「マグダラのマリア」を暗示しています。

 どうして背後にサルがいるのだろうと思ったのですが、これは雪だるまの後ろにいる犬(オオカミ)とセットで、干支を示しているのですね。
 この東洋的と西洋的の混淆を、意図してやってるあたりが、ますますモリさんらしいたくらみです。

 さらに彼女が手にしているのはリンゴ。
 大丸藤井セントラル7階のスカイホールで、今年最後の展覧会となったモリさんの個展への導入にもなっています。
 西洋画の文脈では、イブが蛇から渡されて食べた「知恵の実」を表していますが、それ以外にも、さまざまなものの象徴になっています。


 昨年は果澄さんで、今年はモリさん。さて、来年は?

□モリケンイチ Web Gallery http://www.mori-kenichi.com/

モリケンイチ個展 女王蜂の夜 (2017年11月)
モリケンイチ個展 トワ・エ・モワ(アナタとワタシ/アナタはワタシ) =2017年4月
モリケンイチ個展「真夜中のサーカス」 (2017年2月)


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