全国的な公募団体「美術文化協会」に出品している道内の有志が開く展覧会。
昨年までは毎年、札幌時計台ギャラリーで開いており、公募団体支部展のなかでも継続した歩みを続けてきましたが、ご存じのとおり同ギャラリーの閉鎖に伴い、スカイホールに移ってきました。
今年は12人が絵画を出品しています。
案内はがきには宮崎亨さんの名が印刷されていますが、会場に作品はありませんでした。
右の2点は和田仁智義さん(十勝管内芽室町)の「漂流船(海に眠る)」「漂流船」。
和田さんは岩山などが空中に浮かんでいるような、空想的でスケールの大きな景観を描き出してきました。
今回はその景観に、小さな人影を7人配し、さらに大きさを強調しています。
左は三浦恭三さん(小樽)「関係律」。
ほかに「連環」も出品。
曲線と円弧を組み合わせ寒色でまとめたシャープな抽象画面は健在です。
左は鈴木秀明さん(函館)「天使のいない広場」。
サイボーグやロボットのような、機械をむき出しにした腕の女性が画面の中央にしゃがんでいます。
世紀末的でもあり、SF的でもあるのが、鈴木さんの作品のおもしろさといえそうです。
ほかに「遥」。
新道展で200号クラスの大作を見た直後だけに、70代と思えない旺盛な創作意欲にはあらためて脱帽です。
右は関口幸子さん(函館)「星座」。
写実的な描写の人物と、抽象的な文様とを組み合わせるという実験的な画面づくりに取り組んでいます。
久保田年子さん(函館)「夢―輝いて深く」。
写実的に描かれた花の周囲を、平坦に塗られた色が並ぶ虹のような帯がうねる。描写と模様が合わさったようなふしぎな絵。
大林雅さん(札幌)「絡まる(流木堆積)」「蜃気楼」
大林さんは筆者の知る限り20年以上も前から、奇怪な生物が渦を巻くような、あるいは地層が絡まりあうような絵を描き続けています。
宮澤克忠さん(帯広)「気になる話 賭け・かっけ か?」
会場で一番大きな作品。
宮澤さんの絵は1960年代の「平凡パンチ」あたりに載ってそうな、昔の諷刺画に似たセンスを筆者は感じるのですが、時代が一巡してなにやら新しくも思えてきます。
今回の絵は、総理によく似た男性や、トランプが画面に登場し、さらに「加計学園」を想起させる題など、一番の問題作ともいえるかもしれません。
三浦恵美子さん(苫小牧)
新道展には差し渡し20メートルの大作を出品した三浦さんですが、こちらの出品作はトルソがモティーフになっていて、新道展に比べると「普通の絵」といわざるを得ません。
柳川育子さん(札幌)「泡のごとく1」「泡のごとく2」「泡のままに」
大小の白い球が浮かぶ、快い画面。
3点も並んでいるのは、宮崎さんが搬入してきたらはずすためだとのことでした。
こうしてみると、新道展の人脈が大半です。
美術文化協会は、1939年に、二科展や独立展などにもともと出品していた前衛画家、シュルレアリスム画家らが旗揚げした団体ですが、折悪しく急速に戦時色の強まった時代で、戦中は当局から弾圧を受けました。戦後、46年に復活しています。
ほかの作品は次の通り。
糸井崇史さん(札幌)「サイ」
西田靖郎さん(渡島管内八雲町)「春」
金子賢義さん(札幌)「作品A」「作品B」
2017年10月3日(火)~8日(日)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
■第41回美術文化北海道支部展 (2013)
■第36回美術文化北海道支部展 (2008年9月)
■第35回美術文化北海道支部展 (2007年)
■第34回美術文化北海道支部展(2006年)
■第31回美術文化北海道支部展
■第30回美術文化北海道支部展
■第29回美術文化北海道支部展
■和田仁智義(にちぎ)展 (2014)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017年4月)※以下、三浦さん出品
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
■TAPIO LAST 終章 (2016)
■抽象展 7 (2014)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■北海道抽象派作家協会、秋季展(2013)
■第37回 北海道抽象派作家協会展 (2010)
■第三十三回北海道抽象派作家協会秋季展 (2009)
■三浦恭三展
■第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年9、10月)
■40周年小樽美術協会展 (2008年6月)
■第35回北海道抽象派作家協会展(2008年5月)
■企画展「07-08展」(2007-08年、画像なし)
■第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII (2007年、画像なし)
■第34回北海道抽象派作家協会展
■第33回北海道抽象派作家協会展
■第32回北海道抽象派作家協会展
■第31回北海道抽象派作家協会展
■03年北海道抽象派作家協会展秋季展(画像なし)
■第30回北海道抽象派作家協会展(画像なし)
■02年の北海道抽象派作家協会秋季展(画像なし)
■第29回北海道抽象派作家協会展
■01年の北海道抽象派作家協会秋季展
■第28回北海道抽象派作家協会展 (2009)
■鈴木秀明小品展 (2017年)
■鈴木秀明個展 (2016)
北のアーティストドキュメント「鈴木秀明」
■第54回新道展 (2009)
■鈴木秀明展 (2009)
■新道展50周年記念展
■鈴木秀明展(04年)
■鈴木秀明展(02年)
■平成28年度 道銀芸術文化助成事業 三浦恵美子油彩展 ~人物の変容展~ (2016)
□美術文化協会 bibun.jp/
昨年までは毎年、札幌時計台ギャラリーで開いており、公募団体支部展のなかでも継続した歩みを続けてきましたが、ご存じのとおり同ギャラリーの閉鎖に伴い、スカイホールに移ってきました。
今年は12人が絵画を出品しています。
案内はがきには宮崎亨さんの名が印刷されていますが、会場に作品はありませんでした。
右の2点は和田仁智義さん(十勝管内芽室町)の「漂流船(海に眠る)」「漂流船」。
和田さんは岩山などが空中に浮かんでいるような、空想的でスケールの大きな景観を描き出してきました。
今回はその景観に、小さな人影を7人配し、さらに大きさを強調しています。
左は三浦恭三さん(小樽)「関係律」。
ほかに「連環」も出品。
曲線と円弧を組み合わせ寒色でまとめたシャープな抽象画面は健在です。
左は鈴木秀明さん(函館)「天使のいない広場」。
サイボーグやロボットのような、機械をむき出しにした腕の女性が画面の中央にしゃがんでいます。
世紀末的でもあり、SF的でもあるのが、鈴木さんの作品のおもしろさといえそうです。
ほかに「遥」。
新道展で200号クラスの大作を見た直後だけに、70代と思えない旺盛な創作意欲にはあらためて脱帽です。
右は関口幸子さん(函館)「星座」。
写実的な描写の人物と、抽象的な文様とを組み合わせるという実験的な画面づくりに取り組んでいます。
久保田年子さん(函館)「夢―輝いて深く」。
写実的に描かれた花の周囲を、平坦に塗られた色が並ぶ虹のような帯がうねる。描写と模様が合わさったようなふしぎな絵。
大林雅さん(札幌)「絡まる(流木堆積)」「蜃気楼」
大林さんは筆者の知る限り20年以上も前から、奇怪な生物が渦を巻くような、あるいは地層が絡まりあうような絵を描き続けています。
宮澤克忠さん(帯広)「気になる話 賭け・かっけ か?」
会場で一番大きな作品。
宮澤さんの絵は1960年代の「平凡パンチ」あたりに載ってそうな、昔の諷刺画に似たセンスを筆者は感じるのですが、時代が一巡してなにやら新しくも思えてきます。
今回の絵は、総理によく似た男性や、トランプが画面に登場し、さらに「加計学園」を想起させる題など、一番の問題作ともいえるかもしれません。
三浦恵美子さん(苫小牧)
新道展には差し渡し20メートルの大作を出品した三浦さんですが、こちらの出品作はトルソがモティーフになっていて、新道展に比べると「普通の絵」といわざるを得ません。
柳川育子さん(札幌)「泡のごとく1」「泡のごとく2」「泡のままに」
大小の白い球が浮かぶ、快い画面。
3点も並んでいるのは、宮崎さんが搬入してきたらはずすためだとのことでした。
こうしてみると、新道展の人脈が大半です。
美術文化協会は、1939年に、二科展や独立展などにもともと出品していた前衛画家、シュルレアリスム画家らが旗揚げした団体ですが、折悪しく急速に戦時色の強まった時代で、戦中は当局から弾圧を受けました。戦後、46年に復活しています。
ほかの作品は次の通り。
糸井崇史さん(札幌)「サイ」
西田靖郎さん(渡島管内八雲町)「春」
金子賢義さん(札幌)「作品A」「作品B」
2017年10月3日(火)~8日(日)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
■第41回美術文化北海道支部展 (2013)
■第36回美術文化北海道支部展 (2008年9月)
■第35回美術文化北海道支部展 (2007年)
■第34回美術文化北海道支部展(2006年)
■第31回美術文化北海道支部展
■第30回美術文化北海道支部展
■第29回美術文化北海道支部展
■和田仁智義(にちぎ)展 (2014)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017年4月)※以下、三浦さん出品
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
■TAPIO LAST 終章 (2016)
■抽象展 7 (2014)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■北海道抽象派作家協会、秋季展(2013)
■第37回 北海道抽象派作家協会展 (2010)
■第三十三回北海道抽象派作家協会秋季展 (2009)
■三浦恭三展
■第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年9、10月)
■40周年小樽美術協会展 (2008年6月)
■第35回北海道抽象派作家協会展(2008年5月)
■企画展「07-08展」(2007-08年、画像なし)
■第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII (2007年、画像なし)
■第34回北海道抽象派作家協会展
■第33回北海道抽象派作家協会展
■第32回北海道抽象派作家協会展
■第31回北海道抽象派作家協会展
■03年北海道抽象派作家協会展秋季展(画像なし)
■第30回北海道抽象派作家協会展(画像なし)
■02年の北海道抽象派作家協会秋季展(画像なし)
■第29回北海道抽象派作家協会展
■01年の北海道抽象派作家協会秋季展
■第28回北海道抽象派作家協会展 (2009)
■鈴木秀明小品展 (2017年)
■鈴木秀明個展 (2016)
北のアーティストドキュメント「鈴木秀明」
■第54回新道展 (2009)
■鈴木秀明展 (2009)
■新道展50周年記念展
■鈴木秀明展(04年)
■鈴木秀明展(02年)
■平成28年度 道銀芸術文化助成事業 三浦恵美子油彩展 ~人物の変容展~ (2016)
□美術文化協会 bibun.jp/