田丸さんは全道展会友。今回は、時計台ギャラリーのA、B、C室3部屋を一気に使い、1960年代から近作にいたる油彩、スケッチなどを展示した大規模な個展になりました。現在は札幌在住ですが、かつては後志管内寿都町などで教鞭を執っておられたようです。
近年の田丸さんは、黄色、朱など大胆な色使いによる裸婦群像を手がけています。影の部分に緑を用いているあたり、マティスを思い出させます。
ただ、これはあくまで個人的な感想なのですが、筆者は、60-70年代の室内画のほうに親近感がわきました。
こんなこと書いても、いまさらな感じもしますが、近代の絵画って、基本的に、なにが描いてあるかはどうでもいいんですよね。「どう描いているか」がたいせつで。
田丸さんの絵も、グラマーな裸婦を描くのが目的なんじゃなくて、かたちや色、線のもつ美そのものが主眼なのだと思います。
それはセザンヌの水浴図もおなじです。
たしかに、こういう「純粋絵画」の考え方は、絵画を挿絵の位置から解放して、それ自体で価値のある芸術に高めるのに役立ちました。
でも、筆者は個人的には、もうそんなのいいよって気持ちがしないでもありません。
やっぱり画家も鑑賞者もそれぞれの現実を生きているわけですから、現実の生と切り結ぶ作品のほうがおもしろいと思うんですよ。
どんなに超然としてる人だって、この(過酷な)現代という時代を生きてない人なんていないわけですから。
田丸さんの絵にしても、工具や子どものおもちゃや石油タンクや台所なんかがごちゃごちゃ描かれている作品のほうが、作者の日常生活が垣間見えて、筆者は好きだなあ。
まあ、こんなこと言っても、全道展の作家さんたちからは支持されないだろうけど。
8月14日(月)-19日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□HBCアートギャラリーの、田丸さんの作品画像「半月湖から羊蹄山を望む」のあるページ
近年の田丸さんは、黄色、朱など大胆な色使いによる裸婦群像を手がけています。影の部分に緑を用いているあたり、マティスを思い出させます。
ただ、これはあくまで個人的な感想なのですが、筆者は、60-70年代の室内画のほうに親近感がわきました。
こんなこと書いても、いまさらな感じもしますが、近代の絵画って、基本的に、なにが描いてあるかはどうでもいいんですよね。「どう描いているか」がたいせつで。
田丸さんの絵も、グラマーな裸婦を描くのが目的なんじゃなくて、かたちや色、線のもつ美そのものが主眼なのだと思います。
それはセザンヌの水浴図もおなじです。
たしかに、こういう「純粋絵画」の考え方は、絵画を挿絵の位置から解放して、それ自体で価値のある芸術に高めるのに役立ちました。
でも、筆者は個人的には、もうそんなのいいよって気持ちがしないでもありません。
やっぱり画家も鑑賞者もそれぞれの現実を生きているわけですから、現実の生と切り結ぶ作品のほうがおもしろいと思うんですよ。
どんなに超然としてる人だって、この(過酷な)現代という時代を生きてない人なんていないわけですから。
田丸さんの絵にしても、工具や子どものおもちゃや石油タンクや台所なんかがごちゃごちゃ描かれている作品のほうが、作者の日常生活が垣間見えて、筆者は好きだなあ。
まあ、こんなこと言っても、全道展の作家さんたちからは支持されないだろうけど。
8月14日(月)-19日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□HBCアートギャラリーの、田丸さんの作品画像「半月湖から羊蹄山を望む」のあるページ
ヤナイさんのおっしゃる室内画、私も心惹かれました。
色使いと石油の缶などごちゃっとした構成が妙におしゃれに見えました。
田丸さん20代の作品だそうですが、全く古さはなくむしろモダンでした。
なかなかないダイナミックな展示で、壮観でした。
楽しかった~
書いてから思ったのですが、画家からすれば、旧作のほうを「良い」と言われるのは、イヤでしょうね。