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白鳥信之展(7月29日終了)

2006年08月09日 22時07分03秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の画家白鳥信之さんの、ひさしぶりの個展。時計台ギャラリーの3階全室を借り切りました。話題のグループ展「ACT5」と時期を合わせたのは「たくさんの人に見てもらいたくて」あえてやったそうで、前回(一昨年)のACT5のときに、荒巻さん(ギャラリーのオーナー)に頼んだとのこと。

 全体の構成としては、D室に「木立図」「森の碑」といった、森林風景の旧作を集め、E・F室が、故郷・後志管内喜茂別町の何気ない田園風景の作品と、桜を描いた絵。
 G室は、リンゴの小品がたくさん。ほかに、古い人物画など。
 下の、フェルメールの模写もG室にありました。白鳥さんの非凡な技量を示す1枚だと思います。
         

 リンゴの絵のうち、何枚かが90度傾いてかけられていたので、理由を問うと
「変化をつけたほうがいいでしょ。じぶんのアトリエの壁にもこうやってかけてるんですよ」。

 ところで、今回の個展でいちばん感服したのは、旧作の取り扱いです。
 白鳥さんの個展は、旧作が陳列されることが多い。まあ、新しけりゃいいってもんじゃないですけどね。他の画家はふつう、以前の個展で展示した作品を並べません。
 でも、今回、旧作で埋まったD室を見て、なんか違うぞと思いました。
 聞いてみたら、やはり、筆を加えていたのです。
 1990年代の白鳥さんの絵は、現在よりもハイパーリアリズム調で、細部まで描きこまれていました。今回の個展で見た「木立図」は、最初に見たときよりも、かなりタッチがやわらかくなっています。モティーフを包む空気感もたいせつにしているようです。

 変わったといえば、2002年の個展では、斜めの線のタッチがもうすこし表面に見えていたような記憶がありますが、今回は影を潜め、全体としてやわらかい筆致になっています。
 冒頭の画像は、「秋の風景」など。
 緑の山やジャガイモ畑…。
 北海道のどこにでもありそうな、ごくありふれた風景です。
 しかし、なんともいえない、懐かしさのようなものが流れているようです。
 白鳥さんは「じぶんの故郷だから、絵にこめられた思いが違う」と強調していました。

 白鳥さんは公募展には所属していません。北の現代具象画展のメンバーです。  

7月24日(月)-29日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A


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