北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■ボーダレスアート「引出しアート展」(2024年10月2~30日、帯広)●十勝日帰りバスの旅(8)

2025年01月28日 20時05分28秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 前回の更新が昨年10月28日なので、3カ月もあいだがあいてしまいました。
 しかも、実際に旅したのは10月16日です。
 全10回予定のうち(7)までアップが終わっているので、残り3本をなんとかしたいと思います。

 会場の「地域活動拠点 popke galleryしらかば通り美術館」で梅田マサノリさんが親切に解説してくださいました。
 ただ、フライヤーにあった
 公開展示は9月11日(水)より
 2024年10月2日(火)~11月11日(月)
 引出しアート展は31日で終了します 
という文字列の意味は、聞いてもやっぱりわかりませんでした(苦笑)。
 
 
 この会場はもともと美容室だったので、かつてタオルなどがたたまれて収納されていたひきだしがそのまま残っています。
 それを生かした発表をしようというのが、始まりだったようです。
 
 ひきだしが並んでいるのは入り口から向かって左側の壁です。
 一見、どこにひきだしがあるのかわからないほど、おしゃれなデザインです(美容室ですから…)。
 
 
 向かって右側の壁には、新たに、ホームセンターで売っているようなひきだしを、等間隔に一列に取り付けました。

 左右いずれも、ひとつひとつ開けていくと、なかに作品がおさめられています。

 立体の小品だったり、額装した絵画だったり、ドローイングの束だったり、プロジェクターだったり、人によって作品のタイプは異なります。
 
 
 この企画の良いところは、ほんとに「ボーダレス」になっているんですよ。
 世の中には「ボーダレスアート」の看板を掲げて、アールブリュット系の作品しか並べていない展示が、実在しますからね。
 この展覧会は、精神障碍で通所している人と、道内外のアーティストの作品が、まぜこぜに並べてあるのです。
 
 
 もうひとつおもしろいというか、特徴的なことを書くと、出品をお願いする際に梅田さんはひきだしのサイズを明記して、その範囲でおさめるように頼んでいたのですが、それを守らずに、ひきだしに入りきれない大きさの作品を送付してきた作家がたくさんいたのです。

 冒頭3枚の画像の、スタイリッシュな空間のひきだしに入らない作品が、右手の部屋に雑然と並んでいました。
 ひきだしごと送ってきた人もいます。
 入るわけないのに(笑)
 

 「人の話をちゃんと聞いていない」北海道人の大ざっぱさは、筆者はけっこう好きだったりします。
 なにごとにもきっちりしている人たちにとっては、信じられないかもしれませんが…。
 
 最後の画像は、加藤かおりさん(帯広)の「祈る・ひらく」。 
 紙を素材にした帽子のような立体造形で、道外で数多く展示しているそうです。
 十勝はいろんな作家がいますね。
 
 
 梅田さんからいただいた資料によると、出品作家は次の通りです。

野口裕司(石狩)  うごかす 2023.10
池田健一(帯広)  松ぼっくりの仲間たち
荒井善則(長野)
阿部典英(小樽)  ネェ ダンナサン 2024
ミクニキョウコ(札幌) いくつもの空
中村修一(恵庭)  ゆるりもり
畑江俊明(札幌)  内包するネジレの構成
中井さくら(帯広)  FOX
上ノ大作(北広島)  GAME
古山一彦(鹿追)  Gimme Shelter 2

長澤裕子(和寒)  菓子箱
池田緑(帯広)   ジーンズタマゴ
上嶋秀俊(小樽)  闇がなければ光はなかった
本岡景太(東京)  花
大池ひとみ(帯広) 火の神と光の精霊
白濱雅也(礼文島) ヒトミマンシリーズ「大切なもの」
吉野隆幸(帯広) 安心安全安定のテロリスト


伽井丹彌(帯広) 17歳の引き出し
相原正美(帯広) アートワークショップ「言葉の壁」
鈴木隆(中札内)   光と闇
Yuko Furukawa(札幌) 蓮
末岡さち子(帯広) 壁紙シリーズ・畳んで
梅田真紀(長沼)  有機的な軌跡
ぐるぐる(帯広)  自由表現
 ※この作者・作品名で6個出品

櫻井亮(札幌)  
赤間裕史(音更)  North Forest ART lob
菊地雅子(当麻)  untitled
吉村まり子(帯広) テープシリーズ・流木編
岩沢美香(音更)  ぷょんぷゃん
武井和則(音更)  箱庭
渡部陽平(恵庭)  かぼちゃ、とぶ 1927
藤本和彦(札幌)  様相―堆―
梅田マサノリ(帯広) 粘菌シリーズ・nukarumi
佐々木博江(帯広) 自由表現
大久保真(帯広)

本岡景太(東京)  サボテン
Kit_A(小樽)
桔梗智恵美(滝川) 加筆「まじょのこ」
原田ミドー(栗沢)
豊々(栗沢)
朝地信介(札幌)  かわたれどき
加藤かおり(帯広) 祈る・ひらく
加藤宏子(札幌)
梅田力(長沼)   枯れる
おばけうさこ&こんの工作所(札幌) 赤の郵便箱・緑の郵便箱・黄色の郵便箱


 上記の所在地表記のうち、鹿追、中札内、音更は十勝管内。和寒と当麻は上川管内。長沼は空知管内。礼文島は宗谷管内礼文町。栗沢は合併して現在は岩見沢市。
 タイトル不明のものもありますが、いただいた資料の表記を尊重しました。


2024年10月2日(水)~30日(水)午前11時~午後5時、火・水曜休み
地域活動拠点 popke galleryしらかば通り美術館(帯広市西21南2)

過去の関連記事へのリンク
「popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館」に行ってきた。帯広・冬の旅(4)=2023




・帯広駅前ターミナルから十勝バス「2 循環線」に乗り「西21条2丁目」降車すぐ

・西帯広駅から約2.1キロ、徒歩29分

(この項続く) 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。