濱田五郎さん、札幌ではじつに24回目となる個展。
後志管内岩内町に腰をすえ、徹底した現場主義で故郷の風景を描き続ける道展のベテラン会員です。
ことしで78歳ですが、とうてい信じられないほどお元気。
画風もあまり変わっていません。強いて言うなら、おだやかな写実傾向がやや後退し、気持ちのこめられた筆勢が、岩や波の描写にめだつような気がします。
「50号のキャンバスまでなら車につめるからね」
とこともなげに話す濱田さん。
「だいたい木田金次郎の息のかかったヤツは現場主義なのさ」
と笑います。
自筆の年譜には、木田金次郎に師事、とありますが、濱田さんのお話では、木田の存命中はまだごじぶんは若く、あまり指導は受けていないとのこと。
「(木田金次郎は)家に来るときかならずおみやげ持ってこい-って言うわけさ。といっても、お菓子持ってこいっていうことじゃなくて、(じぶんで描いた)絵ば持ってこいってことなんだな。それで、いろいろ指導する。おれのときは、なんも言ってくれない。あるとき聞いたら『おまえのを直すなら、ぜんぶ直さなきゃならないんだ』」
さすが木田先生、キビシイなあ。
「道展の帰りとか、札幌から汽車でいっしょに帰るとき、(木田金次郎が)『おまえ、いまここで列車が脱線したらどうする』って聞くわけさ。命は落としても絵だけは守れ-っていうんだ。戦争中、たとえ死んでも天皇陛下から授かった銃は守れっていうのと同じさ。そういう精神はずいぶんたたきこまれましたね」
むかしの国鉄岩内線は1日に列車が5、6往復しか走っていません。小沢(こざわ。倶知安のひとつ手前の駅)で降りると、もう列車がないこともあります。そういうときは、木田金次郎や青塚誠爾さん(故人、画家で、木田の弟子)といっしょに岩内まであるいたそうです!
いやあ、むかしの人は健脚だなあ。
木田金次郎は長身で、線路を歩いてもちょうど枕木を踏んでいけばよかったそうですが「オレは短足だからなあ。歩きづらくて。ははは」。
ゆかいにわらいます。
ところで、今回は、海に背を向けて岩場を描いた作品が目立ちます。
岩内近辺のめぼしい浜辺の多くは描いてしまったうえに、道路整備でトンネル化が進み、海に出られなくなっている個所も多いとか。さらに、最近は、別荘分譲地などで筆を走らせていると、わたしの海岸を勝手にかかないで-などと苦情を言われることもあるそうで、なんともせちがらい世の中になったものです。
会場でいちばんの大きな作品「初春積丹岬」です。
初春、というより、早春といった感じがしますが。
目録によると、出品作は次のとおり。
M50「厳冬大雪」
F50「初春積丹岬」
F30「朝霧釧路秋湿原」
F20「岩礁白波」
P20「初春岬」「岩内岳遠望」「岩礁」
P10「初春岬」
F15「暮色断崖」
P12「白波」「白波岩礁」「立て岩」「ニセコ残雪」
F10「残照雷電」「岩内岳を」「岩礁」「崖を」「桜と崖」「緑と白波」「断崖」「白波と岩場」
M10「積丹遠望」
F8「島野海岸」「御崎海岸」「荒れる海」「初春平原」「白波」
M8「春の要諦」
F5「樹林」(会場の表記ではF6)
F6「積丹」
07年7月24日(火)-29日(日)10:00-18:00(最終日-?)
スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)
後志管内岩内町に腰をすえ、徹底した現場主義で故郷の風景を描き続ける道展のベテラン会員です。
ことしで78歳ですが、とうてい信じられないほどお元気。
画風もあまり変わっていません。強いて言うなら、おだやかな写実傾向がやや後退し、気持ちのこめられた筆勢が、岩や波の描写にめだつような気がします。
「50号のキャンバスまでなら車につめるからね」
とこともなげに話す濱田さん。
「だいたい木田金次郎の息のかかったヤツは現場主義なのさ」
と笑います。
自筆の年譜には、木田金次郎に師事、とありますが、濱田さんのお話では、木田の存命中はまだごじぶんは若く、あまり指導は受けていないとのこと。
「(木田金次郎は)家に来るときかならずおみやげ持ってこい-って言うわけさ。といっても、お菓子持ってこいっていうことじゃなくて、(じぶんで描いた)絵ば持ってこいってことなんだな。それで、いろいろ指導する。おれのときは、なんも言ってくれない。あるとき聞いたら『おまえのを直すなら、ぜんぶ直さなきゃならないんだ』」
さすが木田先生、キビシイなあ。
「道展の帰りとか、札幌から汽車でいっしょに帰るとき、(木田金次郎が)『おまえ、いまここで列車が脱線したらどうする』って聞くわけさ。命は落としても絵だけは守れ-っていうんだ。戦争中、たとえ死んでも天皇陛下から授かった銃は守れっていうのと同じさ。そういう精神はずいぶんたたきこまれましたね」
むかしの国鉄岩内線は1日に列車が5、6往復しか走っていません。小沢(こざわ。倶知安のひとつ手前の駅)で降りると、もう列車がないこともあります。そういうときは、木田金次郎や青塚誠爾さん(故人、画家で、木田の弟子)といっしょに岩内まであるいたそうです!
いやあ、むかしの人は健脚だなあ。
木田金次郎は長身で、線路を歩いてもちょうど枕木を踏んでいけばよかったそうですが「オレは短足だからなあ。歩きづらくて。ははは」。
ゆかいにわらいます。
ところで、今回は、海に背を向けて岩場を描いた作品が目立ちます。
岩内近辺のめぼしい浜辺の多くは描いてしまったうえに、道路整備でトンネル化が進み、海に出られなくなっている個所も多いとか。さらに、最近は、別荘分譲地などで筆を走らせていると、わたしの海岸を勝手にかかないで-などと苦情を言われることもあるそうで、なんともせちがらい世の中になったものです。
会場でいちばんの大きな作品「初春積丹岬」です。
初春、というより、早春といった感じがしますが。
目録によると、出品作は次のとおり。
M50「厳冬大雪」
F50「初春積丹岬」
F30「朝霧釧路秋湿原」
F20「岩礁白波」
P20「初春岬」「岩内岳遠望」「岩礁」
P10「初春岬」
F15「暮色断崖」
P12「白波」「白波岩礁」「立て岩」「ニセコ残雪」
F10「残照雷電」「岩内岳を」「岩礁」「崖を」「桜と崖」「緑と白波」「断崖」「白波と岩場」
M10「積丹遠望」
F8「島野海岸」「御崎海岸」「荒れる海」「初春平原」「白波」
M8「春の要諦」
F5「樹林」(会場の表記ではF6)
F6「積丹」
07年7月24日(火)-29日(日)10:00-18:00(最終日-?)
スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)
PRが足りなかったのでしょうか、受講する側は、ラッキーでしたが。世界的な前衛作家に手を取り教えを頂くなんて考えられない。6時間で黒陶を2個作り、8月18日芸森の窯で下澤さんの指導で焼きます。松ヤニを使うそうです。今まで会った陶芸家で、一番惹きつけられましたね。72歳で背の高さくらいの作品を作られてますが、あの小柄な体格で物凄い集中力がおありなんですね、目の前で一気に30センチくらいの見本を作る手さばきは美しかったです。全く濃密な一日でした。
28日の朝は雷雨の中命がけのハンドルでしたが。
なんですか、それ。
今日は芸術の森で川上さんのワークショップ受講、500点程の作品をスライドで見ることも出来充実の6時間。すみませんね、ここに書かせて頂いちゃいました。受講代がもう少し何だったらもっと大勢参加したかも知れないと仲間で話したことです。
うーん、ちょっと濱田さんのことよりも木田さんのことを書きすぎちゃったかもしれませんね。
本に書いてあることも真実だと思いますよ。
今年の春出た伝記もたいへんおもしろかったです。
それにしてもコンチネンタルからセントラルへ行きお隣の鎌倉彫の友人の教室展へ行きながら観ずに失礼しました。