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■木彫三昧 おがさわら・み蔵作品展~JAZZと お葉と ごゆるりと… (2022年8月5~11日、札幌)

2022年08月10日 22時23分41秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 今年83歳になる札幌の(この会場の近くに住んでいる)ベテラン木彫家。
 初めてオホーツク管内で(訓子府町)個展を開くなど、いまも精力的に制作・発表を続けています。

 今回の個展会場は、これまで筆者が見たなかでも、一、二を争う広さで、出品点数も約100点とみ蔵さんの個展では相当多いほうだと思います。

 周囲の壁にはレリーフが飾られ、大きな三つのテーブルには、おおまかに
・和服の人物の立像
・ゴリラや豚を擬人化したシリーズ
・JAZZ のシリーズ
というふうに分けられて並んでいます。

 
 で、作者に
「JAZZ とか、ごゆるりはわかるけど、お葉ってなんですか?」
と尋ねると、これは葉っぱではなくて、竹久夢二の恋人のおようだとのこと。

 この周囲に並んでいる和服の女性も、夢二が描いた絵に着想を得ているものだとか。

 いわれてみれば、ちょっとやせぎすでなよっとしているあたりは、戦前に一世を風靡した夢二好みの女性像といえるかもしれません。

 これまで、ブログには記事にしていない個展も含め、何度も足を運んでいる筆者ですが、見たことのない系譜の作品があることには、かなり驚きました。
 
 み蔵さんといえば、写実的な人間像は、誇り高いブッシュマンとジャズメンのシリーズぐらいしか思い出さず、あとは歌うブタとかゴルフに励むゴリラとか、ユーモラスな動物のシリーズをまず思いつく筆者なので、日本人らしい像も手がけているとは、意外も意外でした。


 ちょっとやっかいなのは、展示のときの表記が
「小笠原み蔵」
だったり
「おがさわら・み蔵」
だったり
「おがさわら み蔵」
だったり、ばらばらなこと。
 そのときの気分で変えているとしか思えません(笑)。


 
 会場には、1980年代以降の案内はがきを収めたぶ厚いファイルもあって、あらためてこの作家がこれまでこなしてきたグループ展や個展の回数、キャリアの長さに感服するのでした。


2022年8月5日(金)~11日(木)午前10時~午後5時
西野神社ギャラリー参集殿(札幌市西区平和1の3)

□小笠原み蔵の世界 https://studio-mikura.jimdofree.com/

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おがさわら み蔵作品展(2019)
西郊の杜 作家三人展 小笠原み蔵、植田莫、屋中秋谷 (2016)

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小笠原み蔵・木彫三昧V (2003年)




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