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■石神照美展 刻の景 (2017年10月26~29日、札幌)―10月26日(3)

2017年10月29日 02時02分02秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 かなり疲れてきて、中央区民センターのロビーで自動販売機のコーヒーを飲み一服。

 そこから狸小路を西に進み、8丁目の「古道具 十一月」をめざします。
 このあたりは狸小路でも中心から離れた地区で、アーケードもありません。
 8丁目の有名店「FAB Cafe」の左側の、古びた暗い階段を上っていくと「十一月」があります。

 そこで陶のオブジェを中心とした個展を、東京・阿佐ケ谷と札幌・山鼻でギャラリー(CONTEXT-S)を開いている石神照美さんが開いているのです。「十一月」での個展は6年ぶり。

 すこし重い引き戸をひくと、入って右側が個展のスペースになっています。
 1年ぶりに訪れた店内はやや様子が変わり、右奥の、かつてお風呂だったコーナーは、カーテンがひかれてバックヤードになっているようでした。

 石神さんの作品は、ふたのついた黒い箱がメイン。ふたをあけると、中には黒曜石のかけらがおさめられています。
 ほかに階段のついた台や、家を模したオブジェが並んでいます。ムーミン屋敷を思わせる塔屋もあります。
 三角屋根の家は、遠い記憶のなかの家だと思います。
 また、十字架のような形の置物、細長い花瓶も出品されています。

 石神さんによると「どこかにこびとが隠れていますよ」。筆者は見つけることができませんでした。

 会場では、石神さんが6年ほど前に少部数出版した本『君がいた場所』も増刷して、2200円で販売していました。

 石神さんの作品は、ひとことで形容すると「ひそやか」だと思います。
 半ば薄れてしまったような記憶を、よみがえらせてくれるようなアートです。意匠が古いために郷愁を呼びさますというよりも、もっと根源的な精神の奥底に、そっとおもりを垂らすように届いているような感じがするのです。 


2017年10月26日(木)~29日(日)午後1~7時
古道具 十一月(札幌市中央区南2西8)




・市電「西8丁目」から約240メートル、徒歩4分
・市電「資生館小学校前」から約450メートル、徒歩6分
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約640メートル、徒歩9分
・地下鉄南北線「すすきの駅」から約720メートル、徒歩9分


閑 土―紙 石神照美(土)・馬渕寛子(紙) (2015)※画像のみ


(この項続く) 


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