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北海道銀行のカレンダー

2010年12月27日 21時52分34秒 | 情報・おしらせ
 年末に金融機関へ行くと、カレンダーを無料で配布している。手に入った年はうれしい。
 先日、北海道銀行でもらったカレンダーを、自宅で開くと、藤野千鶴子さんの絵が、目に飛び込んできた。

 少なくとも道内の銀行や信用金庫のカレンダーは、穏健な写実の風景画などを採用している場合が多い。
 だから、道内の抽象画を代表するひとりであるベテラン画家の藤野千鶴子さんに制作を依頼したという時点で、相当な冒険だといえるだろう。

 当人の名誉のために申し添えておくが、藤野さんは、ふつうの具象画を描けなかったり、描かなかったりするわけではない。
 毎年開いている個展では、ほとんど見る機会はないけれど、以前、北海道新聞で「有島武郎青少年文学賞」に添えるカットを毎年描いていた。それは、川べりの風景と人物といった、普通のさし絵であった。

 で、今回のカレンダー。
 まだご本人には話を聞いていないが、おそらくかなり悩んだのではないか。

 銀行のカレンダーとして許容される範囲と、藤野千鶴子さんご自身が納得しうる画風との間には、やや懸隔があるようにも思われるからだ。

 できあがったのは、ライラックの木々を思わせる紫や緑の光のなかに、時計台が立つという、輝かしい絵だ。
 なんだか、見ているだけで、気分が明るくなる。
 毎日見るカレンダーが、日々の暮らしに彩りを与えてくれそうだ。
 これは、りっぱに藤野さんの絵であると同時に、銀行のカレンダーとしても申し分ないのではないかと感じた。

 結果的に、「金融機関のカレンダー」のイメージを、大きく広げてくれる1枚になったといえると思う。


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