JR北海道の車内誌の表紙などで知られるイラストレーター藤倉英幸さんの作品展。
すべて網走市立美術館が所蔵するはり絵の版画で、原画ではありません。
会場は、冬の間はハクチョウなどが間近に見られる濤沸湖の湖畔に立っている施設で、絵画の展示は珍しいかもしれません。
藤倉さんの作品については、いまさら筆者が付け加えることはないでしょう。
大胆な構図と、メリハリのきいた配色。抽象画に通じる、思い切った省略の美学があり、少なくとも北海道に住んだり、育ったりした人であれば、誰しもが郷愁を感じるのではないかと思います。
そして、文字を中に入れたり、横構図を縦にするような思い切ったトリミングを施しても、構図として完成しているというのは、デザイナー側としてこんなにありがたい作品はないでしょう。
絵っていいなあと、あらためて感じるのは、風景写真はほとんどすべての場合、実際に存在する風景にレンズを向けざるを得ない。「どこでもない、北海道的な風景」というのはあり得ないわけです。
ところが、絵画の場合は、実際の風景をそのまま描いたとしても、具体的な地名の題を付けることも、場所を特定しない絵だと主張することも、自由なわけです。藤倉英幸さんの世界は、実在する場所を描いているのでしょうし、実際に特定することが可能な作品もありますが、見る人それぞれの心の中にある北海道を自在にイメージできる絵であることが、多くの人に好かれる理由なのでしょう。
作品は次の通り。
ウトロの夕凪ぎ
朝の運河
菜の花踏切
初夏の洞爺湖
洞爺の夜明け
白い灯台
早春に
灯ともる
雪の日
風わたる
夏のシルエット
夕凪ぎ
春の声
朝の岸辺に
漁村に降る
遠い海
暮れ色の離島
5月そして6月
知床初夏
知床を行く
風の道
牧歌
2021年1月7日(木)~30日(土)午前9時~午後5時
12、18、25日休み
網走市濤沸湖・水鳥湿地センター(網走市字北浜203番地3地先(白鳥公園)
□同センターのスタッフブログ https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/230boen_kankyou/tofutsu-ko/staff/2021/hakucyou210107.html
過去の関連記事へのリンク
JR北海道の車内誌「The JR hokkaido」11月号は野外彫刻特集
藤倉英幸カレンダー、有島記念館で発売中 (2018)
■藤倉英幸と旅のイメージ (2010)
■藤倉英幸はり絵新作展 あの日、見た風景たちへ (2009、画像なし)
■藤倉英幸新作展 時にたたずんで (2007、画像なし)
・JR釧網線「北浜」駅から約850メートル、徒歩11分
(網走から普通列車で四つめの駅。乗車16分。営業時間内に上下各2本)
・網走バス「白鳥公園入口」から約350メートル、徒歩5分
(網走駅、バスターミナルから「小清水線」に乗車、27分。営業時間内に上下各2本=土日は1本)
すべて網走市立美術館が所蔵するはり絵の版画で、原画ではありません。
会場は、冬の間はハクチョウなどが間近に見られる濤沸湖の湖畔に立っている施設で、絵画の展示は珍しいかもしれません。
藤倉さんの作品については、いまさら筆者が付け加えることはないでしょう。
大胆な構図と、メリハリのきいた配色。抽象画に通じる、思い切った省略の美学があり、少なくとも北海道に住んだり、育ったりした人であれば、誰しもが郷愁を感じるのではないかと思います。
そして、文字を中に入れたり、横構図を縦にするような思い切ったトリミングを施しても、構図として完成しているというのは、デザイナー側としてこんなにありがたい作品はないでしょう。
絵っていいなあと、あらためて感じるのは、風景写真はほとんどすべての場合、実際に存在する風景にレンズを向けざるを得ない。「どこでもない、北海道的な風景」というのはあり得ないわけです。
ところが、絵画の場合は、実際の風景をそのまま描いたとしても、具体的な地名の題を付けることも、場所を特定しない絵だと主張することも、自由なわけです。藤倉英幸さんの世界は、実在する場所を描いているのでしょうし、実際に特定することが可能な作品もありますが、見る人それぞれの心の中にある北海道を自在にイメージできる絵であることが、多くの人に好かれる理由なのでしょう。
作品は次の通り。
ウトロの夕凪ぎ
朝の運河
菜の花踏切
初夏の洞爺湖
洞爺の夜明け
白い灯台
早春に
灯ともる
雪の日
風わたる
夏のシルエット
夕凪ぎ
春の声
朝の岸辺に
漁村に降る
遠い海
暮れ色の離島
5月そして6月
知床初夏
知床を行く
風の道
牧歌
2021年1月7日(木)~30日(土)午前9時~午後5時
12、18、25日休み
網走市濤沸湖・水鳥湿地センター(網走市字北浜203番地3地先(白鳥公園)
□同センターのスタッフブログ https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/230boen_kankyou/tofutsu-ko/staff/2021/hakucyou210107.html
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■藤倉英幸と旅のイメージ (2010)
■藤倉英幸はり絵新作展 あの日、見た風景たちへ (2009、画像なし)
■藤倉英幸新作展 時にたたずんで (2007、画像なし)
・JR釧網線「北浜」駅から約850メートル、徒歩11分
(網走から普通列車で四つめの駅。乗車16分。営業時間内に上下各2本)
・網走バス「白鳥公園入口」から約350メートル、徒歩5分
(網走駅、バスターミナルから「小清水線」に乗車、27分。営業時間内に上下各2本=土日は1本)