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■紅露はるか EXHIBITION 「雨上がりのランドスケープ」 (2022年6月15~20日、札幌)

2022年06月20日 17時38分51秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の日本画家、紅露はるかさんは、活潑に個展を開いていますが、最近は大丸画廊とか円山のチーズ店といった高級感あふれる会場が多く、ビビらずに入れるギャラリーは久しぶりのように感じます(オマージュも、ランチが全品千円以上なので、ふだん筆者が食事をするようなお店ではないですが)。
 くだらない前置きはさておき、紅露こう ろ さんの絵画世界は、シンプルななかに、途方もない切なさと懐かしさ、かなしみが、いよいよ満ちてきているように感じます。

雨上がりのランドスケープ

雨上がりの雲や空気が変化していく瞬間は何とも言えず心動かされます。
雨が降る前とは違う景色になったような、あの雲の先には何があるんだろうと想像します。
その景色はいつしか心の奥底にとどまり、ふとした時に自分を励ましてくれます。
6月の雨上がり、光をたたえたその景色を想い、描きました。

紅露はるか 


 会場に貼られていた文章です。


 もうひとつ、今回の個展に思いを込めていたことがあります。

 昨年の今ごろ、おなじ会場(オマージュ)で2人展を開いていて、会期中に亡くなった日本画家、吉川聡子さんのことです。

 
 「雨上がりのランドスケープ」という題の絵は3点あり、水のある風景に柵が描かれています。
 紅露さんは平野や海辺の何も無い風景にのびる電柱の列が好きで何度も画面に登場させていますが、柵は珍しいです。
 どうしてこのイメージが出てきたんだろうと考えていたら、これはあちら側とこちら側の境界を表しているんだな、と気づいたそうです。彼岸と此岸と言い換えてもいいかもしれません。

 全体的には、紅露さんの個展にはめずらしく、白や青、差し色の赤が少なめで、黄色が主調になっています。
 6月という季節に合わせたのでしょう。


 出品作は次のとおり。

月の灯台
月の泉
夜のカーテンをあけて
ひみつの森 (2点)
雨があがる時
涙をたたえた雨
アケノアサ
アケノヨル
夜の終わりに
アオイヨル
Sound of rain


2022年6月15日(水)~20日(月)午前11時~午後6時
ビストロカフェ+ギャラリー オマージュ (札幌市中央区南1西5 プレジデント松井ビル100)



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