(承前)
Naotoshi Sugawara “Dear ATOM! Is it safety here?”
菅原さんは1964年生まれ、札幌在住。
花崗岩で抽象彫刻を作り続けている。
道展会員で、北海道立体表現展にも何度も出品している。
偉そうな口ぶりになってすみませんが、菅原さんの石彫は、どっしりと安定しているなあと思う。
今回は、大小の石がにょきにょきと土の中から生えてきている感じがして、どちらかというとユーモラスな印象を受ける。
しかし、題名は、2011年の東京電力福島第一原発事故を反映している。
そして、この題名は、原発事故による放射性物質漏れにおびえた多くの人々にとって、共通の思いだったのではないか。
福島県はもちろん、関東や東北、北海道も含めて。
放射性物質は、目に見えない。
人体に及ぼす影響の度合いも、はっきりとは分かっていないことが多い。
果たして、ここ(=北海道)は、安全なのか。
安全だったとして、そのことを喜ぶだけでいいのか。
花粉や雨といった、本来自然の恵みであるものが、いつもと見た目は区別はつかないのに、いざ放射性物質を含むと、わたしたちには脅威になってしまうという逆説。
「自然ととけあうように、共存している」状態は、通例なら好ましいことなのに、ひょっとしたらそうではなくなってしまうという現実。
題名ひとつで、いろいろなことを考えてしまうのであった。
■北海道立体表現展’06
■北の彫刻展 2002 (以上画像なし)
Naotoshi Sugawara “Dear ATOM! Is it safety here?”
菅原さんは1964年生まれ、札幌在住。
花崗岩で抽象彫刻を作り続けている。
道展会員で、北海道立体表現展にも何度も出品している。
偉そうな口ぶりになってすみませんが、菅原さんの石彫は、どっしりと安定しているなあと思う。
今回は、大小の石がにょきにょきと土の中から生えてきている感じがして、どちらかというとユーモラスな印象を受ける。
しかし、題名は、2011年の東京電力福島第一原発事故を反映している。
そして、この題名は、原発事故による放射性物質漏れにおびえた多くの人々にとって、共通の思いだったのではないか。
福島県はもちろん、関東や東北、北海道も含めて。
放射性物質は、目に見えない。
人体に及ぼす影響の度合いも、はっきりとは分かっていないことが多い。
果たして、ここ(=北海道)は、安全なのか。
安全だったとして、そのことを喜ぶだけでいいのか。
花粉や雨といった、本来自然の恵みであるものが、いつもと見た目は区別はつかないのに、いざ放射性物質を含むと、わたしたちには脅威になってしまうという逆説。
「自然ととけあうように、共存している」状態は、通例なら好ましいことなのに、ひょっとしたらそうではなくなってしまうという現実。
題名ひとつで、いろいろなことを考えてしまうのであった。
■北海道立体表現展’06
■北の彫刻展 2002 (以上画像なし)
(この項続く)