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菅原尚俊「拝啓 アトム様 ここは安全ですか。」 ハルカヤマ芸術要塞

2011年12月30日 20時36分45秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 Naotoshi Sugawara “Dear ATOM! Is it safety here?”

 菅原さんは1964年生まれ、札幌在住。

 花崗 か こう岩で抽象彫刻を作り続けている。
 道展会員で、北海道立体表現展にも何度も出品している。
 偉そうな口ぶりになってすみませんが、菅原さんの石彫は、どっしりと安定しているなあと思う。
 



 今回は、大小の石がにょきにょきと土の中から生えてきている感じがして、どちらかというとユーモラスな印象を受ける。

 しかし、題名は、2011年の東京電力福島第一原発事故を反映している。

 そして、この題名は、原発事故による放射性物質漏れにおびえた多くの人々にとって、共通の思いだったのではないか。
 福島県はもちろん、関東や東北、北海道も含めて。

 放射性物質は、目に見えない。
 人体に及ぼす影響の度合いも、はっきりとは分かっていないことが多い。

 果たして、ここ(=北海道)は、安全なのか。
 安全だったとして、そのことを喜ぶだけでいいのか。
 



 花粉や雨といった、本来自然の恵みであるものが、いつもと見た目は区別はつかないのに、いざ放射性物質を含むと、わたしたちには脅威になってしまうという逆説。

 「自然ととけあうように、共存している」状態は、通例なら好ましいことなのに、ひょっとしたらそうではなくなってしまうという現実。

 題名ひとつで、いろいろなことを考えてしまうのであった。


北海道立体表現展’06
北の彫刻展 2002 (以上画像なし)



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