伯谷陶峰さんは「伯谷巌」名義で、光風会(日展系の、国内屈指の古い歴史がある団体公募展)、道展、北海道陶芸作家協会の各会員として活躍中の方と思われます。
「北海道の土は陶芸に向かない」というのが通説ですが、伯谷さんは、札幌軟石を釉薬(ゆうやく)として用いるという、類例のない試みにとりくんでいます。表面に、砂や小石をまぜたような凹凸があり、まるでマチエールに凝った絵のようなおもしろさがあります。となると、この会場はぴったりですね(資料館も札幌軟石で建てられています)。
今回は、「源氏物語」がテーマで、光源氏、藤壺、末摘花、夕霧、六条御息所といった登場人物のイメージを、20点を超す壺に仕立てているというユニークな展覧会。なるほど、絵画だとかえって絵巻などのイメージにしばられてしまいそうですが、陶芸だと自由に造型できそうですね。うつわ類は1点もなく、テーマをしぼった展覧会になっています。
光源氏は黒っぽい色合いで、華やかな中にも力強さがありますし、藤壺の表面の微妙な窯変は、さすが光源氏の永遠の女性という感じがします。末摘花は、おっとりした性格が反映しているようです。
「源氏物語」にくわしい人が見たら、ほんとにおもしろいだろうなあ。
作品にはさわってもOK。
札幌では年間とおして多くの陶芸展が開かれますが、その中でも際立って見ごたえのある個性的な展覧会だと思いました。
2009年5月19日(火)-24日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市資料館(中央区大通西13 地図C)
□北海道陶芸作家協会 http://ta6ka14o.com/
「北海道の土は陶芸に向かない」というのが通説ですが、伯谷さんは、札幌軟石を釉薬(ゆうやく)として用いるという、類例のない試みにとりくんでいます。表面に、砂や小石をまぜたような凹凸があり、まるでマチエールに凝った絵のようなおもしろさがあります。となると、この会場はぴったりですね(資料館も札幌軟石で建てられています)。
今回は、「源氏物語」がテーマで、光源氏、藤壺、末摘花、夕霧、六条御息所といった登場人物のイメージを、20点を超す壺に仕立てているというユニークな展覧会。なるほど、絵画だとかえって絵巻などのイメージにしばられてしまいそうですが、陶芸だと自由に造型できそうですね。うつわ類は1点もなく、テーマをしぼった展覧会になっています。
光源氏は黒っぽい色合いで、華やかな中にも力強さがありますし、藤壺の表面の微妙な窯変は、さすが光源氏の永遠の女性という感じがします。末摘花は、おっとりした性格が反映しているようです。
「源氏物語」にくわしい人が見たら、ほんとにおもしろいだろうなあ。
作品にはさわってもOK。
札幌では年間とおして多くの陶芸展が開かれますが、その中でも際立って見ごたえのある個性的な展覧会だと思いました。
2009年5月19日(火)-24日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市資料館(中央区大通西13 地図C)
□北海道陶芸作家協会 http://ta6ka14o.com/