「池袋モンパルナス」と呼ばれた東京・豊島区のアトリエ群の画家たちを紹介するなどユニークな活動を続けている「ギャラリー北のモンパルナス」が、なんともおおらかなグループ展を開いています。
おおらかな、というのは、その出品者の集め方についてです。
オープン後およそ3年の間に訪れた女性来館者のうち、会話などで「この人は作り手だ」と分かった人に片っぱしから「出してみませんか」と、声をかけたというのです。つまり、作品本位で集めた顔ぶれではないのです。
「そんなのって、ありか」
と筆者は驚きましたが、オーナーの人柄でしょう、ほとんどの人が呼びかけに応じ、10号以下の作品を搬入してくれた、というのです。
「参加者ご本人はもちろん、家族や友だちも連れてきてくれる。これまでで、いちばん楽しい展覧会じゃないかしら」
とオーナーの清水真知子さんは屈託がありません。
「非売品がちょっと多いけど…」。
そして、
「最近でこそ自由な時間ができたし、やりやすくなったけど、ちょっと前までは女性がアートをやるというのは、大変なことだった」
と、振り返ることも、忘れていません。
油彩だけでなく、日本画、版画、人形、陶芸、テラコッタの立体、書、色鉛筆画、ボールペン画、カリグラフィーなど、バラエティーに富んだ計74点(うち6点はギャラリー側の出品)が、ところ狭しと並んでいます。
とうていすべてに触れることはできませんが、冒頭の画像、右側の台上に並んでいるもののうち、テラコッタの人形は、昨年の全道展で入賞した浅井富士子さん「歌う」。ご自身もコーラスをなさっていたそうです。
左の画像、フェルト人形が見えます。土屋さつきさん「優しい風」で、完成まで半年かかった労作。曲線がつくるフォルムが優美です。
また、塚崎聖子さん「夏の終わり」は、色数を抑え輪郭線を強調した、助成の後ろ姿で、いつもと画風が異なることが目を引きました。
福島靖代さん「卯月」は、暗い背景に、赤や緑の帯が舞い、花びらが散りばめられた不思議な画面で、どこか和の雰囲気が漂う作品です。
伴百合野さん、土橋陶媛さん、細木博子さん、大田眞紀さん、藤野千鶴子さん、屋中厚子さん、中田やよひさん、永井美智子さんといった作家の作品もありました。
物故作家の作品も。
八木伸子の「サルビアの花」は、この人には珍しく彩度の高い色が使われていました。
ほかに、西村貴久子「静物」など。
4月1日(火)~26日(土)午前11時~午後6時、日・月曜休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3 清水マンション)
・ピアノ演奏と朗読のつどい=4月19日(土)午後2時~4時、500円。木村雅信さんのピアノ演奏とお話、熊谷敬子さんによる松永幸枝さんの詩の朗読。
・琵琶語りと朗読の会=4月25日(金)1回目は午後3時~4時30分、2回目は午後6時~7時30分。500円。斉藤紫水の琵琶歌「道成寺」や、佐藤雅子の朗読など。
(いずれも収益は、東北の被災地に送る)
・地下鉄東西線「琴似」駅5番出口から約390メートル、徒歩5分
・同「二十四軒」駅から約790メートル、徒歩10分
・ジェイアール北海道バス「山の手1条通」から約870メートル、徒歩11分 (快速、都市間高速バスは通過します)。「西区役所前」からだと1.1キロ、徒歩14分
・ジェイアール北海道バス「62 北1条発寒線 イオンモール発寒行き」で「二十四軒3の4」降車、約520メートル、徒歩7分
・北都館からだと180メートル、徒歩2~3分です
https://www.google.co.jp/maps/@43.075578,141.30809,3a,75y,99.57h,93.82t/data=!3m4!1e1!3m2!1siWxWTyIkykLHT24Kn1jBxQ!2e0
(もし上のリンクからストリートビューが見られたら、左側の3階建てのアパートの1階がギャラリーです)