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宮川美樹さん(岩見沢の水彩画家)を悼む

2017年01月24日 22時31分26秒 | 情報・おしらせ
 すでにツイッターでは書きましたが、けさ2017年1月24日付の北海道新聞おくやみ面に掲載されていた岩見沢市の宮川美樹さんは、住所から推して北海道の水彩画家を代表する一人の宮川さんであると思われます。

 宮川さんは1937年岩見沢生まれ。
 筆者は以前の絵をほとんど見たことがないのですが、この20年ほどは主に、波打ち際を非常にリアルな筆致で描いた作品がほとんどでした。
 ぬれた砂、泡、鳥の影、小さな貝殻など、短い時のうつろいの中で消えて行ってしまいそうなもろもろの物を、じっくりと見つめていたのです。
 筆者は見るたびに、なんともいえない詩情と無常観を感じていました。

 宮川さんの活躍の舞台は、筆者の知る限りでは三つありました。

 ひとつは道展です。
 1965年に「菊華賞」を、66年に「朝日新聞社賞」を受け、67年に会友に推挙、76年に会員になりました。

 二つめは、1991年から2000年まで毎年開催された「北の現代具象展」です。
 これは1989年に道立近代美術館で開かれた「北海道・今日の美術 世紀末の風景」展の出品者などが中心になってつくられた、道内の画壇を代表するメンバーによる絵画展で、宮川さんは「世紀末の風景」にも出していました。
 その後、「北の―」と引き継ぐ「具象の新世紀」展(2001~06年)、「北海道現代具象展」(2007~16年)にも加わりました。

 三つめは、水彩の団体公募展としては国内最古の歴史をもつ「日本水彩画展」です。
 こちらは82年に会員となりました。
 また、昨年で57回もの開催歴を誇る北海道支部展にも出品しており、こちらは支部長を長く務めておられました。

 このほかにも、2005~11年には日本水彩選抜展(東京セントラル美術館)に出品したり、13年には市立小樽美術館が「白江正夫と宮川美樹」展を開いたりしています。
 また、地元・岩見沢の美術協会展にもかかわっていたようです。
 ただし、略歴によると、個展は岩見沢で16回開いたものの、札幌は3回、帯広1回で、毎年かならず作品を拝見できた一方で、まとめて見る機会の少なかったことが惜しまれます。

 冒頭の画像は、昨年秋の第10回北海道現代具象展に出品した「刻」です。

 なお、蛇足ですが、男性です。
 以前は養護学校にお勤めでした。


 ご冥福をお祈りします。


□宮川美樹の世界 http://zyuei.com/art/miyakawa/gallery/water_colors/index.html

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