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一原有徳さん作「炎」にここにいてほしい

2019年08月16日 09時09分09秒 | 新聞などのニュースから
 Pink Floyd(英国のロックバンド) のファン以外にはさっぱりわけのわからないタイトルになってしまい、すみません。
 2019年8月15日の北海道新聞小樽・後志版から。


 小樽市銭函2のJR銭函駅前に35年前に設置され、地域住民に親しまれてきた市所有のモニュメントが老朽化し、市が補修する方向で検討している。市は一時、撤去する方針だったが、駅前のシンボルとして補修を求める住民の声の高まりを受けて軌道修正。早ければ本年度中の予算化を検討しており、駅前のシンボルは存続する見通しとなった。

 モニュメントは小樽出身で国際的に知名度が高い版画家の故・一原有徳さんがデザインし、市内の鉄工所が制作した「炎」。台座を含め高さ5メートル前後の鉄の構造物を赤とだいだい色に彩色し、燃えさかる炎を想像させる作品となっている。

 完成は1984年。タクシー会社こだま交通(小樽)の当時の社長が一原さんに制作を依頼し、市に寄贈した。当時150万円相当の寄付として扱われたという。海に面した立地のため潮風にさらされ、35年が経過した現在はさびなど経年劣化が進み、やや海側に傾いている。

(以下略)


 銭函駅前にそびえ立っている「炎」については、2008年にかんたんな紹介記事を書いているが、こんなに劣化しているとは知らなかった。
 モニュメントというのは、後世に末永く残すという意味合いで設置するものなのだから、35年程度で劣化しちゃいかんのではないだろうか。 

 それにしても、地元の人から親しまれ、撤去に反対し、行政もそれを考慮して補修するというのは、とても良い話だと思う。

 野外彫刻やモニュメントは、近所の住民や通りかかる人に気づかれていないことが意外なほど多いものだ。

 撤去に反対の声が上がるということは、それだけ存在感があったということ。
 一原有徳さん(1910~2010)の作品の力だろう。

 そして、市立小樽美術館に専用展示室まで設けて一原有徳さんを推している小樽市が、彼の作品をあっさり撤去してしまったりしていたら、それこそ恥ずかしい話であろう。

 もちろん筆者としても、なんでもかんでも彫刻やモニュメントを残せば良いと主張しているわけではない。
 「炎」は、歩道や駐車帯に囲まれているから、歩行者や車への安全もじゅうぶんに考慮する必要がある。

 とはいえ、この「炎」は、まだまだ銭函駅前にあってほしい作品だと思うのだ。




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一原有徳「炎」

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和訳 Wish you were here/Pink Floyd


(このピンク・フロイドの曲の邦題が「あなたにここにいてほしい」。バンド側の指定だという説がある)


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