毎年1月恒例のグループ展。
とくにコンセプトを定めず、ジャンルも問わず、仲間どうし誘いあって開かれています。
今回は24人が出品しました。
冒頭画像、手前の立体は梅田力さん「還る」。
従来型の彫刻とは異なる、金属の直線を組み合わせそれぞれを紐(の曲線)や布?(の面)でつなぐ手法は変わっていませんが、着彩が施されました。
奥のタブロー2点は山内太陽さん「I Play, you pray」(左)と「零儀由羅亜瓦斯倫百八重御縁観音像」。
右は近年のガソリン代高騰という画題ですが、むしろ2点に共通しているのは、記号が絵画のモチーフたりうるかというジャスパー・ジョーンズ的な問題意識ではないかという気もします。
奥の壁に水戸麻記子さん「スイカの涙」がちらっと見えています。頭部がスイカになっている着流しのキャラクターで、水戸さんのモチーフでも長命です。
左2点は小川豊さん「心のひだ」。
右は苛原治さん「夏風」。
左の壁は高田陽子さん。
左は上から「愛のスコール01」「愛のスコール02」、中央は「Petrichor 雨と土はおしゃべり」、右は上から「芽吹きの土土」
中央の壁は本田詩織さんの染色「春の香」(2点組み)。
手前の台上は渡部陽平さんの彫刻「豆、地を掴む 豆、天をしる」。
スーパーマーケットで最も安い食材の一つであるモヤシを、高価な金属でわざわざ作るところのおもしろさ。
右は水戸さん「バッティングマシーン」。
コウモリみたいな小さい翼を背中に一つ付けた少年が野球のバットを振り、至近距離で向かい合う奇妙な形状の機械から出てくる球を打ち返そうとしています。なぜ少年は裸なのか、遠景の札幌ドームのような建物の展望台から機動戦士ガンダムのビームサーベルを思わせるピンク色の光線が発せられているのは何なのか等々、謎めいた絵です。
左は梅田真紀さん「軌跡」。
右手のハンドルをぐるぐる回すと、色とりどりの水玉模様が数個ずつ描かれた何十枚もの紙もぱたぱたと回転するという、アニメーションの原点のような立体工作。シンプルにきれいな作品。
伊藤祐司さん、左から「Mosaic of Journey」「Deck」「観察 III - MY GARDEN」。
手前の三角形の立体は「BANK」。
「Deck」がスケートボード状なので、ワンセットの作品なのかもしれません。
牧野英昭さん「山上有山山幾層」。
異素材の積み重なり。
左は會田千夏さんのドローイング「あの日見た、雲のようなもの」。會田さんがよく描くかたちです。
右は糸井崇史さん「無題」。
糸井さんの絵も文字が反復されおびただしくかきこまれますが、今回は英語、ドイツ語のほか、フランス語や日本語もあります。おそらくは、一般的な文章のように意味を読み取ってほしいということよりも、コラージュ的な絵画の素材なのだと受け取りたいところです。
ko-aya さんは近年、東京電力福島第1原子力発電所のおひざ元である双葉町に何度も足を運んでいます。
「フタバタフライ
photo : 2024年10月7日 福島県双葉町
drawing : 2024年12月17~19日
福島県双葉町」
海岸で撮った写真を、山岸靖司さんが大きく引き伸ばしたプリントは、昨年にカフェ・ビストロ+ギャラリー・オマージュで開いた個展ですでに発表しましたが、それを現地に持ち込んでカラークーピーなどで色とりどりのドローイングを加えました。
作業中の強い海風でプリントの下側が破れてしまっています。
篠木正幸さん「tykky」。
手前は河口真哉さん「歩み」。
作品を置く台の底の下側と、その下部の台が鏡になっています。
奥は上嶋秀俊さん「composite」。
昨年暮れのギャラリーエッセ・ミニギャラリーでの個展で展示したものと同じ傾向の、不定形の支持体の5点組み。
楓月まなみさん「光芒」。
前衛書と抽象絵画の境界線上にあるような作品。強い黒とにじみの生み出すリズム。
奥は河口真由美さん「ス雷同ドア」。
手前は中村修一さんの、陶によるインスタレーション「Oreille」。
名畑美由紀さん「連」(左)と「脈」。
画像では分かりづらいですが、山なみが白く描かれています。
畑江俊明さん「階段、高みのある何か」。
針金を熔接して作った、幾何学的な六つのパーツを、鑑賞者が自由に組み立てることができます。
題名だけから判断すると、祭壇のようなモニュメント的なフォルムになりそうですが、意外と斜めに積まさります。
撮影に失敗してしまい、小屋畑拓さんの絵画「適応、擬態」「Next My Turn」と駒澤千波さんの「あいうえお」の画像がありません。申し訳ございません。
駒澤さんは「は行」と「ま行」で、北海道文化財団アートスペースで開催中の個展に出品されている「あ行」から「な行」の続きになります。
2025年1月14日(火)~19日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)
とくにコンセプトを定めず、ジャンルも問わず、仲間どうし誘いあって開かれています。
今回は24人が出品しました。
冒頭画像、手前の立体は梅田力さん「還る」。
従来型の彫刻とは異なる、金属の直線を組み合わせそれぞれを紐(の曲線)や布?(の面)でつなぐ手法は変わっていませんが、着彩が施されました。
奥のタブロー2点は山内太陽さん「I Play, you pray」(左)と「零儀由羅亜瓦斯倫百八重御縁観音像」。
右は近年のガソリン代高騰という画題ですが、むしろ2点に共通しているのは、記号が絵画のモチーフたりうるかというジャスパー・ジョーンズ的な問題意識ではないかという気もします。
奥の壁に水戸麻記子さん「スイカの涙」がちらっと見えています。頭部がスイカになっている着流しのキャラクターで、水戸さんのモチーフでも長命です。
左2点は小川豊さん「心のひだ」。
右は苛原治さん「夏風」。
左の壁は高田陽子さん。
左は上から「愛のスコール01」「愛のスコール02」、中央は「Petrichor 雨と土はおしゃべり」、右は上から「芽吹きの土土」
中央の壁は本田詩織さんの染色「春の香」(2点組み)。
手前の台上は渡部陽平さんの彫刻「豆、地を掴む 豆、天をしる」。
スーパーマーケットで最も安い食材の一つであるモヤシを、高価な金属でわざわざ作るところのおもしろさ。
右は水戸さん「バッティングマシーン」。
コウモリみたいな小さい翼を背中に一つ付けた少年が野球のバットを振り、至近距離で向かい合う奇妙な形状の機械から出てくる球を打ち返そうとしています。なぜ少年は裸なのか、遠景の札幌ドームのような建物の展望台から機動戦士ガンダムのビームサーベルを思わせるピンク色の光線が発せられているのは何なのか等々、謎めいた絵です。
左は梅田真紀さん「軌跡」。
右手のハンドルをぐるぐる回すと、色とりどりの水玉模様が数個ずつ描かれた何十枚もの紙もぱたぱたと回転するという、アニメーションの原点のような立体工作。シンプルにきれいな作品。
伊藤祐司さん、左から「Mosaic of Journey」「Deck」「観察 III - MY GARDEN」。
手前の三角形の立体は「BANK」。
「Deck」がスケートボード状なので、ワンセットの作品なのかもしれません。
牧野英昭さん「山上有山山幾層」。
異素材の積み重なり。
左は會田千夏さんのドローイング「あの日見た、雲のようなもの」。會田さんがよく描くかたちです。
右は糸井崇史さん「無題」。
糸井さんの絵も文字が反復されおびただしくかきこまれますが、今回は英語、ドイツ語のほか、フランス語や日本語もあります。おそらくは、一般的な文章のように意味を読み取ってほしいということよりも、コラージュ的な絵画の素材なのだと受け取りたいところです。
ko-aya さんは近年、東京電力福島第1原子力発電所のおひざ元である双葉町に何度も足を運んでいます。
「フタバタフライ
photo : 2024年10月7日 福島県双葉町
drawing : 2024年12月17~19日
福島県双葉町」
海岸で撮った写真を、山岸靖司さんが大きく引き伸ばしたプリントは、昨年にカフェ・ビストロ+ギャラリー・オマージュで開いた個展ですでに発表しましたが、それを現地に持ち込んでカラークーピーなどで色とりどりのドローイングを加えました。
作業中の強い海風でプリントの下側が破れてしまっています。
篠木正幸さん「tykky」。
手前は河口真哉さん「歩み」。
作品を置く台の底の下側と、その下部の台が鏡になっています。
奥は上嶋秀俊さん「composite」。
昨年暮れのギャラリーエッセ・ミニギャラリーでの個展で展示したものと同じ傾向の、不定形の支持体の5点組み。
楓月まなみさん「光芒」。
前衛書と抽象絵画の境界線上にあるような作品。強い黒とにじみの生み出すリズム。
奥は河口真由美さん「ス雷同ドア」。
手前は中村修一さんの、陶によるインスタレーション「Oreille」。
名畑美由紀さん「連」(左)と「脈」。
画像では分かりづらいですが、山なみが白く描かれています。
畑江俊明さん「階段、高みのある何か」。
針金を熔接して作った、幾何学的な六つのパーツを、鑑賞者が自由に組み立てることができます。
題名だけから判断すると、祭壇のようなモニュメント的なフォルムになりそうですが、意外と斜めに積まさります。
撮影に失敗してしまい、小屋畑拓さんの絵画「適応、擬態」「Next My Turn」と駒澤千波さんの「あいうえお」の画像がありません。申し訳ございません。
駒澤さんは「は行」と「ま行」で、北海道文化財団アートスペースで開催中の個展に出品されている「あ行」から「な行」の続きになります。
2025年1月14日(火)~19日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)