■益村信子個展part19 THE DANCING GALAXY 5 （6月19日まで）

Nobuko Masumura solo exhibition part19
THE DANCING GALAXY 5


　絵画から出発し近年はインスタレーションにも取り組んでいる益村信子さん（札幌）。団体公募展には出しておらず、個展を中心に活動している。
　札幌時計台ギャラリーを借りての発表は十数年ぶりのことという。
　そりゃそうだろうなあ。時計台ギャラリーは7室を有し、名の通った画家が最もよく個展などを開く会場として道内の美術ファンにはよく知られており、ふらっと立ち寄る人も多いのだが、搬出・搬入時間が、土曜の夕方のきわめて短い時間に限られている。タブローなら、搬入はそれほど時間を費やさなくても、インスタレーションはたいへんだ。
　そういう事情なので、このギャラリーが現代アート系、インスタレーション系の会場として使われることはあまりないのだ。

　紙の筒にセルリアンブルーを塗った大小の柱は、前回に引き続いてたくさん配置されている。
　前回に比べて増えたのが、大小の球。青や紫に塗ったものや、写真のコラージュを貼りつけたものなど、たくさんあって、空間を、まるで宇宙の模型のようにしている。

　目立つのが、大小の袋。
　小さい方の、半透明な袋は、100円ショップで購入したもの。
　中にはやはり球が1個入っている。
　大きな黒い方は、なんとキャンバスロールを丸めたもの。
　その表面に写真コラージュをあしらっているが、開けば油彩を描ける正真正銘のキャンバスだ。
　「ほら、わたしやっぱり、油絵から出発した人だからさ」








　今回は、益村さんのインスタレーションとしては、いつになく照明を減らしているので影が目立つ。長く伸びた影が、くっきりと伸びているのだ。
　彼女のインスタレーションは明るさがセールスポイントみたいなところもあったので、今回のように陰影が強調されていると、また変わった感じがする。

　しかし、会場でお会いした彼女は、次の記念すべき20回目の個展とか、もうすぐやってくる還暦記念個展とか、次の展開をどうするかしか、頭にないような口ぶりだった。
　そもそも、前回の個展から1年経過してないわけで、いまが波に乗っているときなのかもしれない。


2010年6月14日（月）～19日（土）10：00～6：00（最終日～5：00）
札幌時計台ギャラリー（中央区北1西3　地図A）



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