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丸山隆「触地座標」

2009年06月11日 22時52分24秒 | 街角と道端のアート
承前

 Maruyama Takashi "Coordinates On The Ground" sets on the Community Park,Naganuma town.
 

 空知管内長沼町のコミュニティ公園に設置してある彫刻の三つめ。これで最後です。

 丸山隆さんは、長野県生まれの彫刻家。東京芸大を卒業後、札幌の北海道教育大に助教授として赴任し、たくさんの後進を育てるかたわら、石山緑地の設計にたずさわった彫刻家集団CINQ(サンク)や、個展、グループ展、野外彫刻など、精力的に活動しましたが、2002年、47歳でがんのため死去しました。

 丸山さんは、ただ作品を据え付けて終わり-という人ではなく、人になにかを考えさせるきっかけを、作品に仕込む作家だったと思います。
 この作品でも、石と金属でできた橋のような形状が、背後の土盛りのようなものと一体化しており、どこからどこまでが作品で、どこからが元々の公園の地形なのか、判然としていません。
 そこから、この作品の前に立つ人は、そもそも野外彫刻ってなんだろうと、考えてしまうのではないでしょうか。


           

 また、この作品は、他の2点と異なり、作者と題名を記したものがどこにも見当たりません。
 筆者が見つけられなかっただけかもしれませんが。
 しかし、そのためにかえって、この作品の「正面の欠如」が明らかになったというか、どこから眺めてもOKという性質が強まっているようにも思えます。


           




□artscapeの関係ページ http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/curator/ym_0411.html

劉連仁生還記念碑
丸山隆さんの訃報


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