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FIX MIX MAX! 現代アートのフロントライン(2)

2006年11月22日 06時50分51秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 端聡「水は常に流れたがっている06II」「過去は今によって変わり、未来は今によってII」
 
 前者は、牛乳に映像を投影する鉄製の大型プロジェクターで、装置はたぶん、この夏の「水脈の肖像」展からの流用。
 後者は、レオナルドの聖母像を中心に、古い写真などさまざまなイメージをならべた平面インスタレーション。
 これほどまでにたくさんのイメージが展開した端さんの作品というのは、記憶にないです。
 実行委の代表として展覧会の準備で多忙をきわめていたはずなのに、こんな大作を出品するんですから、たまげました。
 ただし、これらの多彩なイメージをひとつにまとめあげる端さんのセンスのよさというのは、あいかわらずすごいのですが、伊藤隆介さんの作品のように、なにか特定のものを聯想(れんそう)させることはありません。深遠かつ哲学的なようでいて、じつは明確なメッセージを回避しているというのが、端美学なんじゃないかという気がします。それはそれで現代的です。


 武田浩志
 おっ、今回は名前が短いじゃん。
 会場でもらった作品リストには「ライブ」「薔薇」とだけあります。
 どっちが、いわゆる「Takeda System」(展示空間の中に小屋を作り、その内部で作品を発表するシリーズ)なのかわかりませんが、今回は、小屋の中には、札幌の佐々木徹さんによるカラーコピーの作品がびっしりと貼られています。
 いわば、美術館の中の美術館。
 で、武田君と佐々木さんの作品って、意外と合うんですよ。芸風がどっかで共通してます。
「ダサカッコイイ」(一見ダサイ意匠を駆使して絶妙な作品に仕立てる)
というか
「ケバカッコイイ」(けばけばしくてサイケだけど、かっこよい)
というか…。
 ただ、この「佐々木徹個展」のフライヤーはCAIなどで目にするとはいえ、作品リストやウェブサイトに佐々木さんの名前がまったくないというのは、正式出品者12人との落差がありすぎるというか、ベテランへの敬意を欠くような気がします。(22日夜訂正。ウェブサイトは、表紙にタケダシステムのバナーがあり、そこをクリックすると出てきます。ちゃんと確認しないで、すいませんでした)

 武田君の平面作品に関しては、ことし1月の「風景画展」や、夏の個展のときの作品にくらべると、描きこみが不足していて、絶妙な意匠がいまひとつこっちにこないという感じがしました。匙加減のむつかしいところではありますが。

 書いているうちに長文になっちゃうなあ。
 以下、別エントリにつづく

11月10日(金)-19日(日)9:30-17:00、月曜休み
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D

□公式サイト


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