2015年3月1日。
地下鉄澄川駅前のバス停から、天神山に向かって歩く。
「北海道地名大辞典」(角川書店)によると、天神山は標高84.5メートル。
「洪積世末期の支笏湖軽石流堆積物で構成される」とある。
「札幌の自然を歩く」という本によると、約3万年前に支笏湖のあたりで大噴火があったという。
そのとき大量の石や灰が降り積もり、平岸面と呼ばれる斜面を形成している。
月寒や南郷の台地、羊ケ丘、桜山(真駒内駅の裏手の山)なども、支笏湖爆発の産物なのだ。
天神山は、平岸霊園の高台とつながっていたが、その間を侵食されたらしい。
冒頭画像を見ると、地下鉄南北線のシェルターの下が低くなっていることに気づくと思う。
かつて川が流れていた跡であろう。
その「澄川排水」については、以前、いくつかの記事で紹介した(排水という名だが、天然の川である)。
だいたい天神山の南麓を、豊平区と南区の境界線が走っている。
天神山のふもとは、澄川墓地となっている。住所は平岸だが。
「本願寺道路終点」という碑があった。
本願寺道路は、明治初期に胆振から札幌まで開削された道路。現在の国道230号の基礎となった。
(参考リンク:悲願の本願寺道路)
平岸街道は、天神山の東側の山すそを、南北にまっすぐ走っている。
上の画像で、右手に見えるのは地下鉄南北線のシェルター。
1969年までは「じょうてつ」こと定山渓鉄道のルートだった。
ここは、良い撮影スポットだったんだろうなあ。
山の南側の中腹には「相馬神社」がある。
相馬は福島県の地名。南相馬市は、東電福島第1原発のニュースでもよく耳にする。
そういえば、シバザクラで有名な東藻琴の山(オホーツク管内大空町)にも相馬神社があったなあ。
北海道と福島県のつながりを、あらためて考える。
相馬神社参道の入り口のわきにたっていた馬頭観音。
この「天神山緑地」の立て札が見えたら、左に折れて、アートスタジオへ向かう散歩道に入る。
なお、向こうのほうに、平岸天満宮の文字が見える。
アートスタジオへの道。
この先、左に曲がって、階段をのぼる。
このあたりには、リンゴの木がはえている。
かつては、平岸一帯が、リンゴの名産地であったのだ。
(続く)