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鎖塚(北見市端野町) 寒い連休(11)

2021年05月17日 18時32分04秒 | つれづれ日録
(承前)

 野外彫刻とは直接関係ありませんが、オホーツク地方に住んで通算9年近くになるのに、お恥ずかしいことに今回初めて訪れたので、記録として残しておきます。





 鎖塚は、明治期に旭川と網走を結ぶ「中央道路」を突貫工事で造らされた囚人たちを埋葬し、供養した塚です。

 中央道路は、現在の国道39号や国道333号などのもとになった道路です。
 ロシアとの戦争をにらみつつ、明治政府は、道央とオホーツク海側を結ぶ道路がそれまでなかったので、工事を急いだのでした。
 しかし、いくら罪を犯した人とはいえ、限度を超えてこき使っていいはずはありません。
 その中には政治犯なども交じっていました。
 囚人たちは足に鎖を結びつけられ、過酷な工事にどんどん倒れていったといいます。

 その囚人たちの供養をしたのは、往時の端野町長でした。

 鎖塚のいきさつについては、北見市(のちに端野町と合併)のサイトに簡単な解説があります(下記のリンク参照)。
 また、北見北斗高や北見工業高の教諭のかたわら、民衆史運動をリードした小池喜孝氏の『鎖塚』(岩波現代文庫)に歴史がよくまとめられています。

 北海道、とりわけオホーツクの開拓の裏面史として、忘れてはならないことだと思います。

 鎖塚の前の道路は、網走と北見を結ぶ近道になっているので、けっこう交通量が多く、筆者も何度か通過はしたことがあります。
 今回ようやく、手を合わせることができたのでした。


□歴史民俗資料館:中央道路と鎖塚 https://www.city.kitami.lg.jp/administration/education/detail.php?content=8046

https://www.iwanami.co.jp/book/b369928.html



・JR緋牛内駅から約1.76キロ、徒歩23分

北海道北見バスで、北見駅ターミナルから「美幌・津別線」に乗り「緋牛内」か次の「ホクレン工場」で降車し約1.5キロ、徒歩19分



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