札幌出身で、2005年に金沢美術工芸大を卒業したばかりの若手の初個展。
すこし前に札幌で就職が決まり、新入社員として大忙しの日々らしく、会場にはほとんど来られない由です。
展示されているのは、ここ3年間で描いた油彩8点ほど。
昨年の全道展で入選した作品も展示されています。
いずれも題はありません。
大半は、画面のなかに、あまり大きくなく人物が配置されている絵です。
在学中の作品と、近作の違いは、近作には輪郭線が描かれていること。そのため、イラストや日本画との類縁性を感じさせます。
冒頭の画像の絵は、白い部分が、マンガに登場するふきだしや爆発の煙のように見えますが、作家によると、「洛中洛外図」を意識しているのだそう。
なんだか、筆者の印象ですけど、絵柄がスローテンポのロックって感じがします。くるりとか、sleepy.abとか(どこがって、きかないで=笑)。
全道展の入選作も、俯瞰気味の構図。
左側で、牛乳が紙パックからこぼれて、ふしぎな模様をつくっています。
登場人物はやや小さく描かれていますが、そのために構図が間延びしているわけではありません。
最新作だけは、人間がひとりも描かれていません。
傘のような三角形は、なにかを語っているようです。
07年8月27日(月)-9月15日(土)10:30-18:00
ギャラリー粋ふよう(東区北25東1)
http://www.kanazawa-bidai.ac.jp/www/contents/gallery/zuroku/05st/oil-painting/index.html#