まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

とてつもなくオタクな趣味・・・。

2007年01月15日 | 自然
 とてつもなく強いということで知られた動物がいる。外見はちょっと熊に似ていて、足の先端には4本の爪があり、口から鋭い針を突き出す。150度の高温にも、マイナス200度の低温にも耐え、真空に対する抵抗力も強い。さらに人間が耐えられる限度の千倍以上の放射線を浴びても生き残れる。

 ・・・などと書くと空想上の怪物のように思われるが、こんなのが実際にいるのである。ウソだと思うかもしれないがこれは本当の話。ただ決して凶暴な怪物などではない。少し説明を付け加えるが、この動物の体長は1ミリにも満たず、性格はいたっておとなしい。口から針を突き出すのは植物の中の液を吸うためで、動きはといえば運動用の筋肉である横紋筋という筋肉がないのでのろのろとしか動けない。つまりはこの動物の有名な強さは悪条件に耐える力なのだ。

 この動物の名はクマムシ。その動きから緩歩(かんぽ)類といわれるグループに属している。このクマムシは環境が悪くなると樽型に丸まる。こうなると耐久力は上にも書いたように不死身とも言えるようになるのだ。さらにこの動物は本来淡水中で活動するのだが、水がなくても死んだような状態で10年以上も平気でいる。いったいその限界がどれくらいなのかわからないが、博物館で120年間保存されていたコケの標本に水分を与えたところ、中に隠れていたクマムシのうちの2,3匹が活動状態に戻り、2,3分歩いてその後死んだという報告もある。

 まさに驚異的な耐久力である。しかし、真空状態やマイナス200度の超低温などという、地球上ではあり得ないような環境にも耐えることができるという能力が持ち得たのだろうか。クマムシは呼吸系も循環系も持っていない。排出器もあったりなかったりする。つまり激しい代謝活動に必要な仕組みは持っていないのである。どうやら最初からその仕組みを持っていなかったのではなく、途中で退化したらしい。おそらく進化していく中で、運動する能力を捨て、ひたすら耐える能力を磨いたいうことなのだろう。

 進化というものは実に多様な方向性があるものだ。しかし、クマムシにしてみれば、そのような能力を持ったがために、のちに人間という動物によって様々な耐久力テストをされることになるなど、思いもしなかっただろう。

 私たちがクマムシを認知していないように、クマムシもまた、私たち人間のことなんぞ関知していないのだ・・。

 ためしに・・・検索エンジンで「クマムシ」って打ってごらんなさい。動画でクマムシの動くのが見られますよ・・・。変な趣味というか、変な時代かなぁ・・・。


今日は小正月・・・。

2007年01月15日 | 歴史
 正月15日は小正月(こしょうがつ)という。現在は新暦1月15日に行われる場合もあって、元日を大正月と呼ぶのに対してこのように呼ぶのだそうだ。

 中国式の太陰太陽暦が導入される以前、望の日を月初としていたことの名残りと考えられている。なお、この小正月までが本来の松の内であり、近畿地方では現在でも1月15日の小正月までが「松の内」というのだそうだ。

 この日の朝には小豆粥を食べる習慣があった。古くは『土佐日記』や『枕草子』などにも、小正月に小豆粥を食べたことが記されている。なぜ、小豆なのかは定かでない・・・。

 年神や祖霊を迎える行事の多い大正月に対し、小正月は豊作祈願などの農業に関連した行事や家庭的な行事が中心となる。松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味で、女正月という地方もあった。今もあるかどうかは定かでない。

 かつて元服の儀を小正月に行っていたということから、1月15日は成人の日という国民の祝日となっていた。しかし、その名前から小正月との関連がわかりづらく、かつ、小正月自体がなじみが薄いものとなったこともあり、2000年から成人の日は1月第2月曜日に変更されている。ラッキィ・マンデーだ。

 しかし、今日は平日。なんの感慨もないままに一日が終ってしまった。

 あ、これは、ネット仲間の中山海産さんちの画像である。干しエビなんぞがお買い得・・・です。<m(__)m>。

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