北朝鮮から脱出すること自体は珍しくもないが、今日、現役兵士が上官と同僚を射殺し、あれほどまでに厳重に警備されている非武装地帯を超えて南朝鮮に亡命したというのは穏やかではない。その亡命者は、メガホンで南朝鮮側に亡命の意思を伝え、射殺されることを防いだという。まだこの事件について北朝鮮の国営放送は伝えていないし、南朝鮮の当局者も詳細は開示していない。さらに、動機についても不明だという。
この亡命が金正恩体制のほころびの兆しなのか、脱出者にとっての僥倖が重なった偶発的な事件なのか、今後の展開に注目する必要がある。また、竹島問題で日本と事を構えているさなかのこの事件、南北融和のきっかけとなるか、単なる泡沫事象となるか。