韓国が弾道ミサイルの射程距離を800KMとしたと発表。これにより、北朝鮮全域が射程距離に入ることになった。北朝鮮が数千キロにおよぶ弾道ミサイル（性能はともかく）を保有していることを考えればまだ距離は短いが、韓国にとっては北朝鮮をカバーする以上のミサイルを保有する意味はないから、これで十分なのだろう。こういうニュースの際には、各報道機関の北朝鮮観がよく出て面白い。朝日新聞は、「北朝鮮の反発は必至」という。北朝鮮がどういう反応をするかについて朝日新聞が北朝鮮になり代わってご宣託を賜ろうとしている。韓国軍が「これで北朝鮮全域が射程距離に入る」と言っているのだから、北朝鮮としてはまず得意の「宣戦布告と見なす」ぐらいはいずれ言うであろうことは、新聞の読者であれば誰でも知っている。誰でも知っていることに敢えて「必至」と書いて北朝鮮を鼓舞するあたり、同紙が労働新聞（および・朝鮮中央通信社）日本版と言われる面目躍如といったところ。
昨日の北朝鮮兵亡命と併せ、韓国大統領選挙を間近に控え、朝鮮半島情勢が動き出したようだ。竹島に続いて、退職後の刑事訴追逃れのための李大統領の「愛国」運動の一つでもある。一方、中国、米国ともに国家指導者の入れ替え（米国は再選）の直前であり、自国の安全保障に直接関係のないこのような事案には型通りの反応を示す程度となる。
