回顧と展望

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パルムの僧院

2014年12月22日 17時08分42秒 | 日記

以前にも書いたことながら、暇を見つけてはいわゆる古典小説を再読しているところ、今日、スタンダールの「パルムの僧院」(岩波文庫版)を読み終えた。いつもの通り、始めはなかなか読むスピードが上がらないが、後半になると一気に読み終えるという読書スタイルでずいぶん時間がかかってしまった。レ・ミゼラブル、三銃士、モンテ・クリスト伯などに続く長編フランス小説で、例によって最後には登場人物が死んでしまう。この「パルムの僧院」では主たる登場人物3名が短期間に死亡してしまうというという点では他の小説にもましていかにもあっけない結末。浮世離れした恋愛模様なのだが、それとは別に宮廷内の権謀術数は今でもほとんど変わってはいないのではないかとおもう。今のようなインターネットやEメールがあるわけではないのに、結局人間のやることに大きな変化はない(あるいは、当時の貴族階級の通信手段がそれだけ進んでいたことか?)

よくIT技術の進歩が社会を変えたといわれる。たしかに変わったところもあるが、ITだけでは人間の心理はそう変わらない。たとえば不合理極まる恋愛感情や嫉妬、出世欲なども。

それにしてもこの長編小説の題名になっている「パルムの僧院」が小説の最終章のまさに最後になってはじめて出てくるという斬新な手法には改めて驚かされる。

 

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