中国からイタリア、ナポリに送られた金属パイプから50万ユーロ(7300万円相当)の偽造1ユーロ硬貨が発見され押収された。偽造硬貨押収額としては欧州史上最大規模のものという。1ユーロ硬貨は7.5gだから、50万枚で3750㎏(3.75t)となる計算。極めて精巧な偽造硬貨であり、自動販売機では本物と区別がつかないほどで十分流通するおそれがあるという。そもそも硬貨の場合には紙幣とは異なり一枚が少額であり、一般的には偽造の費用を考えれば割に合わないことから捜査当局も偽造硬貨犯罪をそれほど重視してこなかった。しかし、塵も積もればのたとえ通り、これほど大量となると無視することはできない。これで味を占めれば偽造に歯止めがかからなくなる。
一方、このニュースに敏感に反応したのは英国。従来から1ポンド硬貨の偽造が横行しているのに加え、今後2ポンド硬貨の発行も予定されており、さらに1ユーロ硬貨も2ポンド硬貨も金色と銀色の2種類の金属を使用することから、中国の硬貨偽造団がその両方の硬貨を偽造する可能性があるからだ。
もっとも英国ではどんな少額でもクレジットカードによる支払いが可能だし、地下鉄やバスなど交通機関でもカード(Oysterとよばれるプリペイドカード)が主流だから硬貨に出会うことは少ないので、偽造硬貨にはめったに出会わないかと思うが・・・
いや、パブでビールを頼むときに紙幣で支払えばつり銭を硬貨で貰うことがあった。一杯目はともかく、2杯目、3杯目となったら、もう偽造かどうかはわからなくなるかも知れない・・・
参考までに写真はリトアニア発行の1ユーロ硬貨(これが偽造されたわけではない)。