今を時めくヒップホップ歌手のAzealia Banks と Iggy Azalea が激しい論争を繰り広げている。オーストラリア出身でモデルでもあった白人 ヒップホップ歌手Iggy Azalea がグラミー賞の最優秀ラップアルバム候補になったことについて、黒人ヒップホップ歌手であるAzealia Banks が、ラジオ番組でIggy Azalea との確執を問われて白人の候補指名は黒人文化を代表するヒップホップ文化を汚すものと激しくIggyを非難し号泣したと伝えられている。そして、グラミー賞は音楽的な素晴らしさに対して与えられるべきものにもかかわらず、Iggyにはそのような卓越性はない、としたからIggyも黙ってはいない。
IggyはAzealiaに対し、(グラミー賞にケチをつける)発言は負け犬の遠吠えであり、かつ、ヒップホップを人種偏見に基づいて政治的に利用するものと反撃。
確かにヒップホップ文化は1970年代にニューヨークの黒人やヒスパニックの多く住んでいた地区で生まれたものだ。そのためにもちろんIggyの曲もその歴史を汲んで黒人音楽のニュアンスを色濃く残している。
全米を揺るがしている黒人射殺事件、さらには警官襲撃事件のほかにこれも肌の色がうみだす一つの論争なのだろうか。Iggyが候補に指名されたといってそれを人種問題に結び付けるAzealia の主張には無理があるが一方でこういうことがニュースになるということが米国での人種問題の根深さを物語るものであるとともに、単にお互いの文化を尊重しようというようなきれいごとでは済まないこともまた明らかだろう。
下の写真、左がAzealia 、右がIggy.
http://www.telegraph.co.uk/women/womens-life/11308082/-Banks-Vs-Iggy-Azalea-White-people-shouldnt-steal-hip-hop.html