通勤電車の乗車運賃をごまかしたとして、ロンドン金融街の米系投資顧問会社重役が解雇および金融監督当局からは金融業務からの終身追放処分を受けた。推定年収100万ポンド(1億8000万円)、ロンドン郊外に時価400万ポンド相当(7億2000万円)の家2軒を所有する44歳の男は、いわゆるキセル乗車(キセルという言葉は今や死語になっているから、こう書いてもイメージのわかない人も多いだろうか)の手口で正規運賃21.50ポンドに対して7.20ポンドしか支払わず、不正乗車運賃は6年間で総計4万2550ポンドに達するという。本人は自分の罪を認めつつも、不正額に対して処分が厳しすぎると反発しているが、もちろん同情の声は上がって来ていない。
そもそも分別のある中年の男がなぜこのような姑息な犯罪を犯すのだろう。合理的な理由は見つからないだろうが、このような愚行はいつの世にも存在している。というよりこれも人間がいかに不合理な存在であるかを示しているのかもしれない。わずかなカネの節約のために手を染めた不正乗車にしては失ったものがあまりにも大きい。ほんの小さな不正にいつの間にか無感覚になり、罪悪感が麻痺してしまったのだ。まだ44歳、これから彼はどのような人生を送るのだろう。
同じような不可解な行動は、例えば植草一秀や大蔵卓痲の盗撮事件の時にも見られたものだ・・・