こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

絵手紙

2015年04月12日 14時49分38秒 | 絵手紙
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コラム・喫茶店の光景

2015年04月12日 09時30分01秒 | 文芸
二十代の頃、職場への途中に必ず寄ったのが駅前に会ったグランド喫茶店。ダダっ広い店内の死角になる端っこが定席だった。
 モーニングサービスとBGM、朝刊が六紙。時間ギリギリまでいた。実は心がときめくウェートレスさんの存在が理由。純情ひと筋だった私は初めて女性に心を奪われた。
「いらっしゃいませ。おはようございます」
 と笑顔の挨拶だけで、もう胸はほのめいた。といっても何か話しかけるなどとても出来ない。ただの憧れだった。それでも毎朝、彼女の顔を拝むと幸せな気分になれた。
 ある朝、彼女の姿はなかった。一週間続くと、思い余って、「いつものウェートレスさん、お休みなんですか?」と聞いた。彼女は結婚で店を辞めたらしい。ショックだった。
 あれほど幸福感に浸れた喫茶店通いが詰まらない。新聞もBGMもどうでもよくなった。
 どうやら、私にとっての喫茶店は魅力あるウェートレスさんがいてこそだった。
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老けたオッサンの悩み

2015年04月12日 02時39分12秒 | 文芸
老けたオッサンの悩み

「お父さん。娘さんに買ってやるんですね」
 そう店員さんに言われたとき、返す言葉もなく立ち尽くしてしまったわたし。妻と一緒に買い物をした時の出来事である。妻と言えば、そばでクスクス……!
 わたしと妻の年齢差は十三.そのうえ二十代のころからオッサン顔のせいで、四十歳近くに見られたわたしに対して、丸くふっくらした幼顔の妻。実際以上の年の差に見えてしまう。
 結婚した当初から、年の離れた兄妹に勘違いされるのはしょっちゅうで、そのうち慣れて面白がるまでになっていた。
 それが今度は父と娘に間違われた。これはかなりのショックだった。
 確かに五十の大台に近くなり、白髪としわが目立ち始めては、(もう兄では通用しないかも……)と胸のうちでは納得も止むを得ないと思い出していたものの、表向きにはそう簡単に妥協できない。
「あの……わたしら夫婦ですねん」
 小声になるも、相手の失礼な(?)勘違いへの抗議だ。店員さんは「へー?」と言ったきり、黙り込む。納得いかない表情を見せる。でも今にも吹き出しそうになるのを必死に堪えているのが丸わかりだ。
 こんなざまでは、あと数年でソフト孫……?エエー、やめてくれー!
 妻よ、早く年を取ってボクに追い付いてくれよ!似合いの夫婦に名実ともになれるよう努力を怠らないでくれ。じゃないと、もう離婚だぞ!
(気流・千九百九十七年五月一八日掲載)
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育ったね『おとうさんっ子』・その2

2015年04月12日 00時06分43秒 | 文芸
 でも、リューゴくんを抱っこしていて、ハッとした。お前のやわらかく温かいちいさな体が衣服を通して、お父さんの体とひとつになった。お前の天使のような顔を見つめていると、いまにもすい込まれてしまいそうな気がした。それはものすごく幸福な気分だった。お父さん、もう感激でウルウルだ。
 たぶんあんな感激の連続が親子の絆を生み出し育ててくれるのだろう。お姉ちゃんやお兄ちゃんの子育てにいっさい参加しなかったお父さんは、相当これから努力しないと、お姉ちゃんやお兄ちゃんとの親子の絆なんて出来っこないぞと不安になったものだ。
 リューゴくんを育てて来たお父さんにとって一番の感動だったの、なんだか知ってるかい?お前が初めて立った時なんだ。
 その瞬間を見逃してしまったお父さんだけど、
「この子、いつ立って歩くかな?」
「時期が来たら、ちゃんと立つわ」
 と、お母さんと話し合った翌日、さっきまでハイハイしかしていなかったお前は、ふっと見やったお父さんの前で、なんと立ち上がった。そりゃあ不安定でヨロヨロして、ほんの瞬間しか立っていられなかったけど。
「ワーッ!リューゴ、やったぞ!」
 お父さんは嬉しくて、思わず大声で歓声を上げてしまった。
「おい、リューゴが立ったぞ!タッチしたんだよ。本当に立ったんだからな」
 仕事から帰ったお母さんに、興奮を隠せずに奉公するお父さんだった。本当にあんなに嬉しかったのは、いまだかってなかったことだ。
 それからも次々と、リューゴくんはいろんなことで、お父さんを感激ばっかりさせてくれたものだ。
(つづく)
(第7回バルーン・わたしの赤ちゃん大賞受

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