小学一年生。生まれて初めての遠足を控えた前の夜、えらく高揚してなかなか眠れない。やっと眠ったかと思うと、台所の音に目が覚めた。母が遠足に行くわたしのために、いつもと違うお弁当作りに頑張る姿があった。
田舎の小学校で一クラス二十人。行く先は村の神社。それでも心はウキウキしっ放しである。ワイワイガヤガヤと、担任の先生の気苦労も知らず、賑やかな一行だった。
山の中にある河上神社は面白い岩がたくさんあった。鏡岩、畳岩、そして揺るぎ岩。ふだん悪ガキ仲間としょっちゅう遊びに来る場所だった。それでも先生や級友と一緒の遠足では、まるで別世界に思えた。見慣れた風景なのに、新鮮な驚きをひとつひとつに感じた。
畳岩で弁当を広げた。先生を囲み、ぺちゃくちゃ。みんなの仲はいっぺんに縮まった。
楽しい時間も終わり、さあ帰ろうとなった時に襲ったなんともいえぬ寂しさと未練。あれは子どもの純粋な気持ちだったのだろう。
田舎の小学校で一クラス二十人。行く先は村の神社。それでも心はウキウキしっ放しである。ワイワイガヤガヤと、担任の先生の気苦労も知らず、賑やかな一行だった。
山の中にある河上神社は面白い岩がたくさんあった。鏡岩、畳岩、そして揺るぎ岩。ふだん悪ガキ仲間としょっちゅう遊びに来る場所だった。それでも先生や級友と一緒の遠足では、まるで別世界に思えた。見慣れた風景なのに、新鮮な驚きをひとつひとつに感じた。
畳岩で弁当を広げた。先生を囲み、ぺちゃくちゃ。みんなの仲はいっぺんに縮まった。
楽しい時間も終わり、さあ帰ろうとなった時に襲ったなんともいえぬ寂しさと未練。あれは子どもの純粋な気持ちだったのだろう。