こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

詩・ただの父親

2015年04月28日 10時58分08秒 | 文芸
ただの父親

獅子は
わが子を
千尋の谷に
落とすと言う

それは
父親の
崇高な愛が
生む
覚悟と決断

厳格に
強靭に

羨ましいなあ

とても
真似の出来ぬ
父親がいる

いま
遠くにいる
我が子を
想うしか
術を知らぬ

無力さ
反吐が出る

ため息だけが
許される

父であることの
辛さ
虚しさ…

それでも
間違いなく
わたしは
父親でありつづける


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大黒柱より大黒さま

2015年04月28日 09時45分48秒 | 文芸
大黒柱より大黒さま

 結婚したとき、妻は短大を卒業して半年たつかたたぬかで、何も知らない純情娘だった。当然家庭は、13年分余計に人生を送って来た小生の独壇場。
 家計だって、大黒柱たる小生の思うがままで、わが世の春を謳歌したものだ。それでもただひたすら夫を信じ、頼りきっていた妻の可愛さといったらなかった。
 だが栄枯盛衰は世のつねとでもいうべきか、いまや立場は大逆転!子供が3人。女房は自分の分身を増やして、孤立化を余儀なくされた小生の天下を、完全に乗っ取ってしまったのである。
「お前、結婚したとき、生涯亭主を立てるといったろうが……!」
 と少しでもグチれば、
「何いってんのよ。甲斐性なしの亭主立てて、一家心中しろっての?冗談いわないでよ!」
 これが…あの可愛かった女房がいう言葉か……!
 しかし、よく考えてみれば、あいつのいう通り。商売に失敗してただいま失業中。そんな不甲斐ない亭主を立てろっていったって、やはり無理な相談だよな。でも、オレにも男のメンツってもんが……。
 とはいえども、いまの生活もまんざらじゃない。主導権を相手に渡しておければ、とにもかくにもわが身はラク、ラク。
「バイトの時間に遅れるわよ」
「は~い」
「これきょうのお小遣いね」
「は~い」
 こうなると、もう主導権を奪い返す気などどこへやら。男のメンツも、戦う(?)気力も萎える一方である。
(ポスト1996年9月10日掲載)
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etegami

2015年04月28日 02時32分58秒 | 絵手紙
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外野席からのエール

2015年04月28日 00時51分54秒 | 文芸
外野席からのエール

 昨年初めてPTAの役員に。のらりくらりと携わって来たが、どうも気になってしかたのないことがあった。子どもを対象にした行事のあり方である。
 ドッジボール、バレーボール、綱引き……どれもこれも体育会(?)系ばかりが目立つ。文化系といえば、音楽や人形劇の鑑賞会。ということはつまり子ども自身が実際に参加して頑張って楽しむ場は体育会系しかない。
 健全な体に健全な心が宿るなんて言われているが、時には健全な心づくりを優先してもいいのではなかろうか。
 かくいう私は子どもの頃から全く運動が苦手で、運動会や球技大会などになると、もう嫌で嫌で堪らなかったタイプ。そんな運動落ちこぼれも、写生大会や学芸会などになると、もう得意の範疇で楽しくてイキイキ出来た。文化系の場があったから、今日の私があるといっても過言ではない。その場が皆無なら、私の子供時代は暗黒の中を彷徨う悲惨な状態を脱することは不可能だったろう。
 子どもの可能性は無限なのに、体育会系の行事に偏りがちの現状では、ある才能に目覚める可能性を持った子どもたちの芽を摘み取ってしまうことになるのではなかろうか。
 もっと幅広く柔軟に行事の企画を練って実施してやってればよかったなあと、いま悔やんでいる。わたしの役員任期もタイムリミットを迎える。後悔先に立たずというヤツである。
(次期役員さんにわたしみたいな、世間的にへそ曲がりの変人と見られるタイプの方がいれば、迷うことなく外野席から最大級のエールを送ってみよう)
 ちょっぴりそんなことを考えてみるが、さてさて、そんな御仁、現れてくれますかな?
(平成7年3月1日・兵庫PTAまど掲載)
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